第103回フィルムさんぽ(RICOH・PENTAX回)に参加してきた件
およそ半年振りくらいのフィルムさんぽへの参加である。現在、年末から続く引っ越しの最中にあって、旧家から新家に引っ越しそのものは完了したものの、まだ家の至る所に段ボールの塔が建っている。
しかも若干ピサの斜塔だ。
本格的に片付くのはまだまだ先の話となるが、カメラ関係の荷物の出し入れは出来るようになっていたため、今回のフィルムさんぽに参加が出来ることとなった。
今回の企画は「PENTAX(若しくはRICOH)製のカメラ限定回」である。
なんかフィルムカメラを作るの作らないのと先日も話題になっているPENTAXだが、インターネット上では(ネタ込みで)強い支持をされているブランドである。
↑一般的PENTAXファンによく見られる言動(嘘)
PENTAX機においては、めちゃくちゃ売れたSPを始めとして数多くのブランドがあるが、機材によるマウントの取り合いが殆ど発生しない、と主催からの意見もあり、良くも悪くも完全同意である。
さて私が使ったのは厳密に言えばPENTAX製品ではないのだが。
旭光学工業が最初に作ったカメラ、アサヒフレックス。これのII型である。
このカメラ実は日本のカメラの中では3本の指に入るくらい好きなカメラである為、オーバーホールして貰いよく持ち出して使っている。
御年70歳近い割にはよく写ってくれるのだ。
と、いうか1954年でクイックリターンミラーを搭載しているのはやはり色々とおかしい。
ドイツの高級機に搭載されたのが確かコンタレックスで1960年前後のはずで、ソ連はそこから10年後くらいになる。
たまに、初めて古い年代の舶来一眼レフを使う人が
「シャッターを切ると巻き上げるまでファインダーが真っ暗になり驚いた」と口にする事があるが、やはり日本のクイックリターンミラーの搭載と普及の早さが異常だったわけで、当時の世界の人も驚いたと思う。
閑話休題。
さて前日は大雪警報が出るくらいの積雪、まあ実際は午後から雨になっていたので雪の影響は薄かったが、当日の天気は。
見事な快晴となった。
私はこれまで30回以上フィルムさんぽに参加しているが、1日を通して傘が必要な雨が降った事が1回。短い時間の小雨が2回だけである。
ざっと計算してみたら96〜97%くらいは晴れているのだ。
凄くねこれ?
さて使うフィルムだが、当初は自宅にまだ残っていたColorplus 200かX-TRA 400あたりの普通のフィルムにしようか、と考えていた。今回は集合場所が企画協賛店のカメラはスズキさんのお店の前であった為、出発前にフィルムを購入する時間があったのだが、そこでCinestillシリーズの400Dを見つける。
販売されていたことは知っていたが、まだ使ったことがなかったのでこのフィルムを使おうと購入することにした。
購入時部長にアドバイスを頂いた。
「明るいところでは結構メタメタに映るから気をつけた方がいいよ。紫陽花撮るのに使ったら結構悲惨だったから、シアン系統にはあんまり向かない」
こ の 言 い つ け を 素 直 に 聞 い て お く べ き だ っ た 。
さんぽが始まった。
先述の通りの快晴で結構撮れ高のあるいいコース。初参加の方もチラホラ見えて撮影そのものは滞りなく進んだ。
お昼には
ビール2杯と
紹興酒
kaz
※あとジントニも飲んだ
講評で返されたプリントをみて、少し私は焦り出す。
これが一番分かりやすいんだが、お分かりになられるだろうか。
ハイライトに粘りが全くなく白飛びして、謎の赤色に転んでいる様子を見せる。
あっ、これ見たことある。
以前ロシアから輸入したSFL250Dと同じ現象だ。
250Dは最近流行りの「映画用VISION3のバックコートを剥がしてC-41で現像できるようにしたやつ」なのだが、やはりVISION剥がし品は同一の傾向にあるのか、他の方のフィルムでも同様の傾向が見られた。
そりゃあ「快晴下での使用はお勧めされない」よなあ。
勿論、この描写(微妙にレトロチックに映る)が好みな人や、明るいところで使わない人にとっては大正解なのだろう。
しかし青空を多く撮っていた私は軒並み想定と異なりちょっとガッカリ気分であった。
これなんか悪い意味で判りやすく、トラックと建物、そして空と全て色味が異なりしかも下から濃→淡とグラデーションが掛かっていた。
通常のフィルム計算でもトラックに露出を合わせると空が真っ白になることが想定できた為、建物に露出を合わせてトラックは2段くらい落とした。
しかしこのフィルムのハイライトへの粘りが弱いためこれでも白が飛んでしまい、
下半分は暗すぎ、上半分は真っ白となにがなんだかよくわからない写真になってしまっている。
一応、暗めのところで使うとやっぱり雰囲気はあっていいよね。
これなんかはハイライトの赤転びも作品として使えてはいる。参加者の方に得意の「ちょっと脚貸してください!」とお願いして撮影した。
アサヒフレックスはウエストレベルファインダーローアングルに強くてこういう構図は楽ちん。
講評会場隣のコンビニでジェムソンのハーフボトルが売っていた。とても気が利いていると思った。
今回のフィルムさんぽ、久しぶりでとても楽しかったがフィルムチョイスに変な色気を出したのと部長の言いつけを守らなかったことに若干悔いが残る結果となった。
「グレムリン」の映画なら簡単にグレムリン増やしちゃいそうだな私。
kaz