kazのこんなカメラ⑭PENTAX MX
人には誰にでも初めてがある。
私のカメラ遍歴を以前紹介した時に大雑把に触れたが、私が初めて買ったちゃんとしたフィルムカメラがPENTAX MXである。
PENTAXのデジタル一眼を先に買っていたので、フィルム機に求める条件としては、
・Kマウントボディ
・機械式
・銀色(かっこいいから)
・出来るだけ小さく
・露出計はあった方がいい
・なるべく手に入りやすい値段
といった辺りをベースに色々探していた。
調べた結果どうもPENTAXのKXかMXが良さそう、というところまで情報が集まってきた。
そして(売り払う予定の)ニコンF2を持って中古カメラ屋さんに向かったわけだ。
ところがF2が意外とマトモな金額にならなかった。
それはそうだ。
最後に触ってから10年くらいは押し入れにしまっていたのだ。
シャッターは切れたが今にして思えばジャンク棚に入れておくか動作未確認として安く売る程度しかできない状態だっただろう。
で、KXとMX。どちらも完動品の在庫があったので触らせて頂いた。
どちらも甲乙付けがたい操作性だったのだが、私のモットーとして、
「性能が同じなら小さい方がいいじゃん」というものがある。
要するに、それで小さい方=MXを買ったという訳だ。
PENTAX MX。
OLYMPUSのOM-1に刺激を受けた小型一眼レフブームにPENTAXが送り出したカメラ。
機械式一眼レフでも最小クラスの大きさだ。
買ったその日にフィルムを入れて撮り歩いた。
それまでデジタル(K-50)でもロシアレンズばかり使っていた=全てマニュアルで使っていた為、操作には何の不都合もなく、出ていたネガを見たときには大層感動したものである。
カメラが増えると旅に出たくなる。
わかるな?
このカメラはKマウントでレンズの使い回しが効いて、ボディそのものもあまり嵩張らないのでデジタルと一緒に随分色々な所に連れていった。
榛名湖、日光、会津。
伊豆、式根島、神津島、八丈島。
台湾、アメリカ。
イギリスには持っていってない。
(アサフレ先生を持っていったからだ)
とにかく、MXは私にとって最初のカメラであり、やりたいことは一通りなんでも出来る基本のカメラでもある。
デジタル用に買ったレンズが大体使えるのは大きい。
贔屓目を抜きにして、このカメラの欠点が何も思い付かない。
最初に中々いい出逢いをしたから、今もフィルムカメラが趣味として長続きしているのかもしれない。
勿論まだまだ現役だ。
持ち出す頻度は少し下がったが、壊れるまで使い込んでやろうと考えている。
機械式なので壊れても修理はなんとかなるし。
式根島唯一の信号機
こういう「初めてのカメラ」はやはり思い入れが深くなるものである。
私の場合、このカメラと東ドイツのカメラが二週間ズレぐらいで初めてのカメラだ。
……なぜわざわざ露出計も付いていない東ドイツのカメラを買ったのだろうか……
そこに今の暴走っぷりの根源があるような気がしてならない。
kaz