DIY賃貸住宅に住むということ
DIYのできる賃貸住宅という、ちょっと不思議な住み方をしていると、ふつうの賃貸住宅には戻れる気がしない。
そもそも、民間の賃貸住宅はオーナーさんが受け取る利益によって成立しているので、やれ金利だ表面利回りだのにらんだ結果生み出されるもので、ふだんそういう仕事をしている自分がここにいたりもする。
でも、振り返って考えると、やはり顔の見えないオーナーさんにはお金を払うのもなんか嫌だし、やっぱり自分の好みの部屋に住みたい、となれば、改修が可能な物件に住むしかないのだけど、別の家に住宅ローンを支払っている単身者としては、中古といえど購入できるような身分ではないし。
偶然、仙台市主催のまち歩き企画で見つけ、法務局からオーナーさんを手繰り寄せ、そのオーナーさんがまた工務店の代表で一部内装の解体までしてくれたという、たまたまの好条件が揃った物件だった。(管理人さんにものすごく不満があるのは置いといて)
RC造で空室率に困っている年代物の物件オーナーさん、自分で手を掛けなくとも満足度の高い部屋を提供できる手の一例ですよ。
そんな快適なDIY賃貸生活を推奨したいけど、注意点はたくさんある
1)そもそも市場に出回らない
勝手に人にいじられることを基本的にオーナーさんが好むわけではないので、不動産市場に出てこない。建物を見つけ、法務局でオーナーさんを特定して飛び込んでいくエネルギーを持たなくてはいけない。
2)その物件は永遠ではない
古いからもちろん、取り壊される可能性があるので、オーナーさんとよく話し合う必要性が高い。(うちは屋上にオーナーさんが売電ソーラーを設置したので、あと10年は大丈夫かな)
3)工具は高い
フローリングを敷き詰めるようなことをやってしまうと、丸鋸の他、まっすぐ切れるような定規とか、挙げればきりがない。(大工さんも道具を持っているかどうかで腕が決まると思う)そして特に丸鋸は危険でもあるのであまりおすすめできないし。
4)資材もそれなりの値段がする
フローリングは職業柄、商社で必要なくなったサンプルをマルチで張ったので材料代は必要なかったけど、珪藻土とか壁に塗るとなると、ホームセンターで購入したとしてもけっこうかかる。
5)時間がかかる
なにせ素人のひとり相撲、時間はかかる。フローリングなんて、メーカー違いをマルチで張ったので、繋ぐ凹凸の実の幅や位置が違うのをわざわざ落としながらの茨の道だった。
6)住みながらの工事
まあ、壁を塗って、それからフローリングを張ってだったので、ずっと現場に仮住まいしてるような、なんとも言えない空気感で落ち着かない期間が長かった。
7)設備機器が古い
これは女性には最大の難所。うちはタイル張りのバランス窯だけど浴室自体は広いので我慢できる。この辺りはオーナーさんとの初期の話し合いが必要になるところ。
実際にDIY賃貸に住むということは、思っているより工事に関する苦労は多いかもしれない。
でも、ただ現状のまま家賃を払うのに違和感を感じたら、トライする価値はあると思う。
それから、同様に家具のサブスクとかも、なかなか興味深い分野が生まれてきているし。
風の時代、軽やかに。
来週は、昨年中止になってしまったOAUのホールツアー
久々にライブに参戦!(安全に)