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症例発表をするとき/見るとき 最初に意識すべき大事なポイント(歯科)

みなさん、症例発表してますか?


スタディグループや院内発表会、学会でのプレゼンや雑誌への投稿など、様々な機会で症例発表を行う方がいらっしゃると思います。

また、自身で症例発表を行う機会は少なくても、他人の症例/症例発表はよく見る、という方は多いでしょう。


ところが、我々は症例発表についてきちんと学ぶ機会がほとんどありません。

見様見真似で症例発表をしているだけ。
症例を見るときに特別意識していることはなく、なんとなく見ている/読んでいるだけ。

そんな方は少なくないと思います。


実際、症例発表を見ていると
「あれ? ひょっとして症例発表って何なのかわかってないっぽい?」
と思ったり

症例発表に対してのコメントを聞いたときに
「?? 症例発表で何を見たらいいか知らないのかも?」
と思ってしまったりすることが少なくありません。


そこで今日は
「症例発表ってそもそも何なの?」
「症例発表で何を意識したらいいの?」
という基本的なことを話すことにしました。


1. 症例発表は結果ではなく過程

いきなり結論ですが、症例発表で語るべきは「結果」ではなく「過程」です。

パターン別に見ていきます。


1-1. 発表するとき:学んでもらう場合

症例発表で一番よくあるのは、発表を聞く人に何かを学んでもらうパターンです。
まずはこのパターンを想定してみましょう。


発表を聞く側の立場に立って考えてみます。


発表を聞く側は、症例の「結果」から何か学べるでしょうか?

こんなにP(歯周病)を治せました。

という症例を見せられたとして、学べるのは、

「頑張ったらこのくらい治せるんだな」

というだけです。

明日からの臨床に何か生かせるわけではありません。


でも「過程」、つまりこんな器具を使ったとか、こういうところを意識してスケーリング(歯石取り)したとか、OHI(歯磨き指導)のときにこんな声かけをして指導したとか、そういった内容は、聞く側にとって勉強になります。

「過程」こそが学びになり、発表として意味を持つわけです。


1-2. 発表するとき:指導してもらう場合

症例発表においては、スタディグループでの発表など、自分の発表を見て他人に勉強してもらうだけでなく、自分の発表を手がかりにして上の先生に指導をしてもらうパターンもあります。

このような場合に「結果」ではなく「過程」が重要になるのは言うまでもないでしょう。

自分が何を理解し何を考え何を実行したのか、こういった話をすることで、足りないことや間違っていることを指導してもらえます。

「結果」だけ見せられても、何が課題なのかは分からないことがほとんどです。
これでは指導は難しいでしょう。


1-3. 聞く側

「結果」ではなく「過程」

このことは、症例を発表するときだけではなく、症例を見るときにも意識すると有効です。


症例の結果だけを見て

「すごいなー」

と思ってもほとんど意味はありません。

明日からの臨床には何も生きてこないでしょう。


症例を見たときは、結果だけ見るのではなく、その発表者が考えたことや実行したことをしっかり聞いて、そこから学びを得るのが大事です。

「過程」の中で、疑問に思ったことやもっと知りたいことがあれば、そこを質問していくと、より自分の学びに生かすことができます。

「過程」を意識して症例を見るのに慣れてくると、発表者が語った「過程」と「結果」を見比べたときに、「ここのピースが足りない」というのが感覚として分かってくるので、よりクリティカルな質問ができるようになってきます。


2.(できるだけ)再現性の高い症例を出す

症例を発表するとき、できれば意識したいこと。
もう一つは「再現性」です。

症例発表から他人に学んでもらう場合、再現性がないとその発表に価値はありません。

「私は人並み外れて器用なのでこんなにキレイにCRができます」
と見せられても意味がないし

時間がかかりすぎて保険では大赤字になる、ほとんど誰もやらないような工程を踏んで立派な義歯を作ってみせても、他人の役には立ちません。


ところが、著名なセミナー講師の先生でも、こういった症例を出すことは決して珍しいことではありません。

だからこそ、自分の発表が何のためにあり、どうあるべきなのか理解することができれば、他の人よりも圧倒的に知識や技術を高めることができるでしょう。


まとめ

・症例発表をするときは「過程」をしっかり説明する
・症例発表を聞くときは「過程」を意識して話を聞く
・(できるだけ)再現性のある症例を発表する

これらをきちんと意識できれば歯科医師/歯科衛生士としては超一流になれると思います。


今回は以上です。


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