雑談:Guppyの「気になる」攻略法。結局ただ課金が増えただけっていう話
2年ぶりにGuppyで衛生士の求人をかけたところ、「気になる」という機能が導入されたことを知りました。
求人側は下記のような一覧で、「気になる」してくれた衛生士さんの匿名プロフィールを一覧で見ることができます。
今日は、これについて考えたことを書きたいと思います。
「気になる」をどう攻略すべきか
さて、この「気になる」ですが、求職者に「気になる」してもらった場合、どう取り扱うのが正解でしょうか?
特に何もしない?
それともスカウトすべき?
それを考えるために、もう一度先程の一覧を見てみましょう。
こう見ると、40代の衛生士の方はスカウト受信3件と少なめですが、20代の3人は一番少ない方でさえ30件以上、一番多い方は60件以上と非常に多くのスカウトを受信しています。
言い換えると、何十件もスカウトを受信しながらいまだに職を決めていないわけです。
ちょっといいなと思ったら気軽に「気になる」を押すし、ぽんぽんスカウトしてもらえる。
そんな状況で送られてきたスカウトをきちんと受けて見学・面接に至るか。
確率は低いと言わざるをえないでしょう。
スカウトのメッセージを送るには1,000円のコストがかかりますが、このコストは無駄に終わる可能性が非常に高いということになります。
では、「気になる」してもらっても、何もしないのが正解なのか?
いやいや、衛生士側の立場に立って考えてみましょう。
ちょっといいなと思った求人に「気になる」を押す。
「気になる」を押したらすぐ「スカウト」してもらえる。
‥‥だったら、とりあえず適当にたくさん「気になる」しておいて。「スカウト」きたらもうちょっとちゃんとページ見て。良い感じだったら見学に行く。
こんな感じになりませんか?
少なくとも、こっちが「気になる」したのにスカウトしてくれない医院に、わざわざ自分から「応募」して必死にアピールしにいく気なんて起きないと思いませんか?
だって何十件もスカウトもらえるんだから。
誤解をおそれず分かりやすく言えば、20代の衛生士を雇いたいならスカウトしないと無理な環境になっていると思います。
もちろん自分から積極的に応募してくれる方もいるでしょう。
あなたの求人がそれだけ魅力的であれば。
でも、応募という行動に踏み切ってくれる20代の衛生士はごく一部としか思えません。明らかにそうです。
雇いたいのであればこちらからスカウトしないと、非常に不利な戦いにさらされるので、まずスカウトするのが正解といえるでしょう。
スカウト対象をどう選ぶか?
スカウトしないと雇えないのは分かった。
でも無駄なスカウトはしたくない。
ではどんな方法を使えば、自分の医院にマッチした人材を選び出し、的確にスカウトすることができるか。
考えました。
衛生士のプロフィールを見て、その人がどんな人か手がかりになりそうな情報が記載されている項目はほぼ2つだけ。
・自己PR(自由記載)
・重要視すること(選択式)
このうち、自己PR欄は何も書いていない人すら多く、みな書き方も異なるので比較は難しく、「こうやったら人材を見極められるよ」というコツの共有は困難ですし、そもそも見極められるかどうかすらあやしいものです。
なので、手がかりになるとしたら、「重要視すること」のみでしょう。
「重要視すること」は以下から最大3位まで選ぶことになっています。
・仕事内容
・給与
・勤務地
・規模の大きさ
・福利厚生
・研修制度
・休日・休暇
・人間関係
・理念
当院のケースで考えます。
当院では、きちんと患者さんを健康にし健康を守れる衛生士を求めているのですが、採用前の段階で十分な能力を持っている人はほぼゼロなので(たぶん数千人に1人とかしかいません)、そうなれるポテンシャルを持っている人材を採用することにしています。
そうなれるポテンシャルというのは、患者さんの健康に責任感があり、十分な向上心があり、伸びる余地がある(十分に若く吸収力が高いか、すでに高いスキルがある)人材と考えています。
こう考えると、素直に上の項目に照らしあわせれば
・仕事内容
・研修制度
・理念
この3つということになりますが‥‥、まあ現実はこのうち1つでも入れてる人すらほとんどいないので、これをもとに選ぶのは現実的ではないです。
ひとつ手として考えたのは、ウチの衛生士だったらどれを「重要視すること」として選ぶか、聞いてみること。
だってウチの衛生士はまさに採用に足る優秀な人材ですからね。
これは間違いない、賢い方法。
‥‥でも、院長に指摘されて気づいたんです。
「重要視すること」って、
その衛生士さんが働く上で本当に重要視していることじゃないんですよ。
これはね、
その衛生士さんが過去の職場や今の職場で不満に感じたことなんですよ。
たとえその衛生士さんにとって本当に幸せに感じる一番大事なポイントが「患者さんを健康にできるかどうか」だったとしても、
週6日で働いてたり、急なシフトチェンジがあったり、全然有給使わせてもらえなかったり、家族と休みが合わないような職場だったら、「休日・休暇」が大事だって思うだろうし、
お局に毎日いびられてたら「人間関係」って書くだろうし
毎日1時間半かけて通勤するのがつらくなったら、今度は近い「勤務地」選ぼうってなるし、
衛生士の友達と比べて明らかにお給料安かったら次は「給与」高いとこ行こうって思いますよ。
これはつまり、次は改善したいな、って思うポイントであって、その人にとって本当に大切なポイントが書かれるわけじゃないんですよ。
というか、自分にとって本当に大切なことがきちんと自分で理解できてる人なんて、ほとんどいないですからね。
そういうことができるのは超一流のビジネスパーソンの領域。
だから、この記載が意味するところは「その人がどんな人か」じゃなくて「その人がどんな職場に勤めていたか(いるか)」。
スカウトすべきかどうかの手がかりにならない。
人材を見極める手がかりがどこにもない以上、他に明確に「落とす」理由がない限り、全員にスカウトを送るのが合理的。
これが結論です。
まとめ
・Guppyに「気になる」の機能が導入された
・20代の衛生士を雇うなら、「気になる」してもらったらこちらからスカウトするようでないと戦えない
・スカウトすべき人材かどうか「自己PR」「重要視すること」の項目からは見極められない
・つまりそもそも人材の見極めはできない。とりあえずスカウトすべき
いやーそれにしてもGuppyもうまいことやりましたね。
一見すると、「気になる」って、求職者にとってリストに入れられるメリットがあるとともに、ちょっとした意思表示もできるから、採用の後押しになりそうじゃないですか。
でも実際のところ、「気になる」押してもらったら、こっちは1000円払ってスカウトするしかないわけですよ。
じゃないと不利な戦いをしいられてしまう。課金するしかない。
やられたなあ。
板橋区志村坂上ゆき歯科医院はそれでもGuppyを活用して採用活動を続けます。