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マイケミの『ザ・ブラック・パレード』がアメリカで今すごいことになっている。

僕の大先輩は「ヒット曲は年金だ」と言った。これはヒット曲のあるミュージシャンは歳をとっても、印税で食っていけるということだろうが、今や、年金どころか、すごいマネーメーカーになっている。それがヒット・アルバムであればなおさらだ。マイ・ケミカル・ロマンスの『ザ・ブラック・パレード』は2006から2007年、全世界的に大ヒットを記録した。ここ日本でも、大ヒットになった。僕がワーナー時代に担当したバンドのアルバムの中でも、25万枚以上のCDセールスを記録し、プラチナ・ディスクを獲得したのは、レッチリ、リンキンとマイケミだけだ。今回はヒットの経緯を語るわけではなく、彼らの2025年夏のアメリカ・ツアーの話だ。

このツアーのために、すごいトレーラー映像まで、公開されている。このツアーはアルバム『ザ・ブラック・パレード』を全曲完全演奏するスタジアム・ツアーで11公演、365,000枚のチケットが数時間で売り切れたという。しかし、「一番安いチケットが230ドルなんて、ひどい」と言ったファンの声も聴かれ、チケット代の高さも問題になっているようだ。このツアーは今年の『When We Were Young 2024』フェスティバルで、『ザ・ブラック・パレード』全曲完全演奏のショウをやった後に、発表された。最近のオアシスのヨーロッパ・ツアー発表時にも話題になったが、このような記念碑的なショウでは今後もこのようなチケット高騰の傾向が続くだろう。

そもそもこの『ザ・ブラック・パレード』を全曲完全演奏するのは初めての企画ではない。2007年当時にも、各国で行われた。ファンの方には2007年5月29日、一夜限りの日本武道館公演を見た方も多いかもしれない。あの公演で本編はザ・ブラック・パレ―ドというバンドとしてのコスチュームで、アルバムを完奏し、アンコールでは、マイ・ケミカル・ロマンスとして、「アイム・ノット・オーケイ」他のヒット曲をプレイしていた。炸裂するパイロとすごい量の紙吹雪も忘れられない。実はこの武道館公演はCD化されるはずだった。レコーディングもしていたのだが、あいにくマイキーがこのショウに参加できなかった。メンバーがそろっていなかったので、リリースできなかった。代わりに、当時のバンドのマネージャーは、EP『ライヴ・アンド・レア』を日本リリースさせてくれた。あの武道館公演は本当に忘れることが出来ない思い出だ。
2025年の夏のツアーもそのようなシアトリカルなショウになるのだろうか。マイケミはきっとすごい舞台装置でファンの度肝を抜いてくれるだろう。






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