Flutter Engageイベントレポート - Flutterはソフトウェア開発のメインストリームへ

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先週はFlutterのマイルストーンイベントであるFlutter Engageが行われ、Flutter 2を中心とする様々な発表が行われました。このイベントを通して感じたことは、Flutterがモバイルはおろかソフトウェア開発のメインストリームへと更に一歩進んだと思うことでした。

色々と書こうと思っていたポイントがあるのですが、早速こちらのBlogにものすごく上手くまとまっており、もはやこれ以上は書くことはないです。

私的にヒットであったポイントを以下挙げておきたいと思います:
・Web及び各デスクトップアプリのサポート
・TOYOTAの採用
・Add-to-appでのパフォーマンス改善

Web及び各デスクトップアプリのサポート

Web、Windows、 MacOS、Linuxのサポートが正式(betaからstableに)となりました。これは単にサポートプラットフォームが増えたというだけの話ではないと思います。

こちらのアナウンスメントに要素が詰まっているので、以下に引用もしておきます。ポータブルという言葉が幾度と出てきています。

Today, we’re announcing Flutter 2: a major upgrade to Flutter that enables developers to create beautiful, fast, and portable apps for any platform. With Flutter 2, you can use the same codebase to ship native apps to five operating systems: iOS, Android, Windows, macOS, and Linux; as well as web experiences targeting browsers such as Chrome, Firefox, Safari, or Edge. Flutter can even be embedded in cars, TVs, and smart home appliances, providing the most pervasive and portable experience for an ambient computing world.

ビジョンというものはとても大事で、こちらのポストにもあるように(以下引用)、ポータブルUIフレームワークとして主要なマイルストーンであったということです。

Our vision for Flutter is to be a portable UI framework for building beautiful app experiences on any platform.

ソフトウェア開発において、こういうクロスプラットフォームの開発フレームワークはコスト削減面で語られることも多いですが、Flutterのビジョンはポータブルな体験をもたらすエクスペリエンス面を強調しており、更に先を見据えているといえるでしょう。

TOYOTAの採用

TOYOTAでの採用は、まさにこのFlutterのビジョンと同調するものでした。Toyota Motor North AmericaのChief Engineerであり、Toyota ConnectedのGlobal Chief UX Designerを兼ねるDaniel HallがキーノートにてFlutter採用の背景で強調していたのは、エクスペリエンス面でした。

車内インフォテイメントとモバイルやPCアプリがポータブルになった世界での体験や、より機動的なフィーチャーのアップデートなど、これまでとは全く異なるものになっていくかもしれません。

ちなみに、私見ですがTesla(Model 3)でも、モバイルアプリと車内アプリでの体験はポータブルとはまだ言えないものに感じています。確かに運転に関する細かな設定等がモバイルで出来る必要はないかもですが、例えば後部座席の人がエンタメの操作ができたり、家から聞きたい曲を予約しておくなど、もう少し車内体験的にエンハンスできることはあるのではと感じます。

Add-to-appでのパフォーマンス改善

こちらも単なるパフォーマンス改善ではありません。これのおかげで、より既存のネイティブアプリからのFlutter移行が進むことと思います。既存アプリにおいては、リスクやコスト・機能凍結などの問題から、段階的移行を選択せざるを得ないことが多いと思います。Add-to-appはネイティブアプリの上で一部をFlutter化する際に使うもので、段階的移行するには重要なものでした。問題点は、こちらにも背景を書きましたが、複数のエンジンを使うシーンがありその時のパフォーマンスでした。この改善により、複数エンジンにかかるメモリコストが大幅に改善されるため、画面や機能単位からFlutter導入することがやり易くなります。

まとめ

ソフトウェア開発においてFlutterを選択肢と考えるポイントが、「モバイルだから」ではなくなりました。そして、よりエクスペリエンス面と関係した技術となり、しいてはプロダクト戦略にも大きな影響を与えることとなり、Flutterの技術をわかった上でビジネスを考えると、また違った景色が見えてくるものに思います。TOYOTAなどの業種においても、こういう考えを取り入れたプロダクト開発が増えてくると考えると、ワクワクしますね。



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