
ジャニーズ事務所の記者会見を見て
記者会見の動画を見て感じたことを率直に書いておく。
ベストを尽くした会見だった
創業者が前代未聞の事件を起こしていたということが前提にありながら、8月29日に再発防止特別チームの提言を受けてから9日目で、関連会社の社長、新社長、元社長が揃って記者会見を開いたのは、会社としてはベストを尽くした対応だったように感じた。
再発防止特別チームの提言内容に対し100%回答があったとは言えないが、評価したい点の第一は、会見の場で社長の辞任を述べるだけでなく、既に取締役会の承認を得て新社長に交代し、会見に臨んだことは評価できると思う。
もう一つは、会見の中で終始ジャニーズ喜多川氏に対しての決別と被害者への謝罪と補償(「法を超えた」と何度か口にしていた)をうったえており、具体的な仕組みの発表に至ってはいなかったものの、今後取り組み姿勢については十分に示していたと感じた。
最後に、藤島ジュリー景子氏、東山紀之氏、井ノ原快彦氏3名が時間の許す限り、多くの記者からの質問に自ら答えていたことだ。不常時を起こした上場企業で、委員会設置会社のような会社ですら、記者会見でも時間の湯する限りという対応を取ることろは珍しい中、かなり丁寧な対応であったと感じた。
十分な時間をとった上で、まだ色々と問いかける記者に対しても丁寧に話を聞こうとする、東山新社長の姿勢は非常に好感が持てた。
また、井ノ原社長も記者の名前を言うなど、彼らしい記者に対する対応をしており、好感が持てた。
新社長の力は未知数だけど
再発防止特別チームの提言の中にも述べられていた社長の退任については、概ね事前に噂させれていた通り東山紀之氏が新社長となった。
驚いたのは、既に社内では正式な手続きを経て5日に社長になっていたことと、年内でタレントとしては引退すると言うことだ。ビジネスの手腕は未知数であるが、外から社長を引っ張ってくるよりも、エンターテインメントを熟知しているとともに、タレントの中では求心力がある彼に会社の未来を託したいという、前社長の想いなのかもしれない。
復活に向けた苦しい旅路が始まる
まずは、新社長のお披露目と新しい会社の取り組み姿勢の発表がメインとなった会見だったが、被害者への補償・支援の体制構築、人権遵守の規程と社内教育体制の構築、コンプライアンスの体制構築、新経営体制と提言への取り組みを迅速に行なっていくことがまずは重要。
10月に新経営体制を発表すると言っていたが、他のことについても速やかに、マイルストーンくらいは公表していく必要があるのと感じた。
これらを進めつつ、事務所本来のエンタテインメントビジネスの再構築を行なっていく必要があるだろう。今回のことで会社のレピュテーションが著しく既存しており、芸能事務所としては致命的なダメージを負ってしまったことは否めない。流石に超大手事務所とはいえ、これまで通りのビジネスを行えるとは考えにくい。
既に、CMを発注していた各企業は、契約を更新しないところも出てくると言われており、場合によっては冠番組もいくつかはなくてる可能性もある。
ここから、どうやって新社長のもと復活を遂げていくのか注目していきたい。
以上