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「少年の君」を見た(ネタバレあり)

学校内のいじめ問題に正面から取り組んだ作品。


大まかな内容

優秀な女子高生のチェン・ニェン(チョウ・ドンユィ)は、大学受験を1ヶ月前に控え受験勉強の追い込みに入ろうとしていたが、クラスメイトが学内で行われていたいじめを苦に自殺したことで、いじめのターゲットになってしまう。

エスカレートするいじめだったが、ある時集団暴行を受けていた不良少年を助けたことから、彼にボディガードを頼むことになる。

どこの国でも共通の問題なのか

学校内のいじめ問題は、日本でも古くて新しい問題でいまだに決定的な対策が講じられているとは言えないが、中国でも映画の題材になるほど問題になっていると知り、とても驚いた。

学校内に「全国模試まで後◯日!」と張り出されていたり、教師が校庭に生徒を集め、受験突破を鼓舞するシーンなど、かつて日本でも見られていたような光景があった。試験の順位によって席替えが行われるような苛烈な競争環境におけるストレスもいじめの原因の一つになっているのだろうか。


チョウ・ドンユィの演技が光る

必死にいじめに耐えつつ、北京の大学に入り母親との生活のために勉強に邁進しようとする、チェン・ニェン(チョウ・ドンユィ)の演技に本当に入り込んでしまう。細身の俳優さんなのでいじめのシーンでは真面目に怪我をしてしまうのではないかとハラハラしてしまい、彼女が必死にいじめに耐えながら勉強に打ち込もうとする姿に感情移入してしまった。

後半の、チェン・ニェンが不良のシャオ・ペイに面会に来るシーンでは全くセリフはないのだが、お互いに目を見合わせて二人で涙を流すシーンは本当に印象的なシーンだった。


2時間強の映画だが

映画では、学校内のいじめという問題を中心に展開されており、冒頭のチェン・ニェンの同級生の自殺により警察も介入していじめに関する捜査が開始されることになる。ただ、警察が介入しても期待通りには解決に至らず、いじめグループのチェン・ニェンに対する言動も激しさを増していく。

いじめをメインに話が進むとどうしても、荒んだシーンだけになりがちだが、その中にチェン・ニェンと不良のシャオ・ペイが心を通わせるシーンが一瞬いじめを忘れさえてくれて、乾き切ったイメージになり過ぎず、2時間強の映画にもかかわらず、エンディング時間を気にする事無く見ることができた。


映画のエンディングで、いじめに対しての対策がどのようになされているのかについてのテロップが入るが、中国という国の特性もあるのか立法的な対応が行われているようだ。

日本においても、少しずつでも状況が好転するように願いたい。


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