人間的な、あまりに人間的な。
身近な人が苦しんでいることが一番つらい。自分の限界をよく知っているから、無責任なことは言えない。
俺に任せれば、絶対大丈夫だよ。
そう言えるほどに無知でありたいと思ったことが、何度かある。未来を考えずに人の気持ちも考えずに、独善的な正義を振りかざして圧倒的な力で他人に関わること。その強さに憧れたことがある。
嘘でもいいから、優しい言葉がほしい。
その痛切な願いに答えることができない。人の願いに気づきながら応えないことを選択するとき、自分には人の血が通っているか疑わしくなる。
けど言わせてほしいのだ。
選ばない行為は、とても人間的な行為であることを。自らの限界を知り、自分と他人との間に境界を引くことは、人が自分らしくあるために必要なことなんだ。
未熟であることを知ることは、未熟さを脱する第一歩だ。自らの不完全さを抱きしめて、明日を迎え続けたい。
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