【英語脳チャンネル-3】1時限目の"Yes or No"から間違えてるじゃん!
キャプテン・カズの『英語、ちゃんと教えてよ!』シリーズの第3回です。
僕らの世代では英語は中学1年生から習いました。
そして中学1年の最初の授業で「Yes = はい、No = いいえ」と習いました。
でもその最初の1時間目に教わったことが、既に間違っていたのです。
1. 否定疑問文「宿題やらなかったの?」
「Yes = はい」「No = いいえ」が間違っていたと気づくのは、否定疑問文をやったときです。
否定疑問文というのは、否定形で尋ねる質問の仕方です。例えば・・・
「雨降ってたのに、タクシーに乗らなかったの?」
「あの中華屋でチャーハンを食べなかったの?」
等々、人々が「こういう場面だったら、こうして当然よね」と思うことと違うことをやったときに、否定疑問文がしばしば使われます。
2. 否定疑問文の答え方
「ゆうべ宿題やらなかったの?」と尋ねられたとします。
「はい、やりませんでした」と答える場合は、
となります。
「はい」なのに"No"を使うのです。
「いいえ、宿題やりましたよ。」という場合には、
と、「いいえ」なのに"Yes"を使うのです。
このように否定疑問文で聞かれたときには、YesとNoが逆転してしまうのです。
3. 社会人になって経験するトラブル
このように『Yes=いいえ、No=はい』となる逆転現象は、社会人になってビジネスで英語を使う時に、トラブルの元となります。
中には質の悪い商談相手が、わざと
と否定疑問文で聞いてくることがあります。
日本人は中学以来、「Yes = はい」「No = いいえ」と答える癖がついていますから、「はい、そんな値段じゃ飲めません!」と言ったつもりで、「Yes」と答えてしまいます。
そしてYes、Noだけ答えて、あとは黙ってしまう場合が往々にしてあります。
あなたが「Yes」だけで止めてしまった場合、「Yes, I can accept.」と「その値段を飲んだ」と答えたことになってしまいます。その値段を拒否したつもりになのに、です。
だから、多くのビジネスマンは新入社員の時に先輩から「否定疑問文で尋ねられたら答えるな!」と教えられます。
4. 『Yes = ちゃんと』 『No = まったく』
このようなトラブルは、中学1年の最初の英語授業で「Yes = はい」「No = いいえ」と習ってしまったことに原因があります。
では、YesとNoに適した訳し方は何だったのでしょうか?
日本語でこのような副詞は何かないでしょうか???
ようやく見つけました。
それは、
です。
日本語の「ちゃんと」は、「ちゃんと宿題やったよ」のように肯定文につながります。「ちゃんと宿題やらなかったよ」とは、よほど特殊な文脈でない限り言いません。
日本語の「まったく」は、「まったく宿題やらなかったよ」のように否定文にはスムーズにつながりますが、「まったく宿題やりました」のような肯定文にはうまくつながりません。
このように、「Yes = ちゃんと」「No = まったく」というように覚えていたら、トラブルの元となることは無いのではないでしょうか。
「ちゃんと」と「まったく」がベストの訳語だ、とは思っていません。でも中1の最初の授業で「Yes = はい」「No = いいえ」と覚えさせられたことが間違っていた、というのは確かです。
今後もしもっと適した訳語が見つかったらお知らせしたいと思います。