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【英語脳チャンネル-2】"Strike !"の真の意味

キャプテン・カズの『英語、ちゃんと教えてよ!』シリーズの第二回目です。

今回も前回に引き続き、Baseballについてやります。

野球の審判は大声で「ストライーック!」とコールします。

ではこの「ストライーック!」とはどういう意味でしょうか?

1. あるアメリカ人との「お散歩談議」

拙宅の近所にアメリカ人青年が住んでいます。彼も僕もパピヨンを飼っていて、ワンコのお散歩でしょっちゅう遭遇します。やがて、飼い主同士立ち話をするようになりました。彼はシアトル出身で、シアトル・マリナーズのファンだと分かりました。

何年か前のことですが、彼が僕にこう尋ねました。

「なんで日本のプロ野球は、フルカウントが多いのですか? アメリカのMLBではフルカウントはあまりありません。ピッチャーが球数が増えるのを嫌がるし、観客も試合時間が長くなるので嫌がるからです。」

そこで僕は、ずーっと前から抱いていた疑問を彼にぶつけてみました。

「Baseballの審判が『ストライーック!』とコールするけど、あれは英語の動詞"strike"の命令形ではないの?」

するとそのアメリカ人は、

「もちろん、ストライクは動詞"strike"の命令形です。」

と答えました。

やっぱりそうだったのか! そこで僕は彼にこう答えました。

2. 「ストライク = ナイスコース」ではない!

「日本の野球選手で、『ストライーック!』が『打てーッ!』という命令だと分かっている人は、おそらく一人もいません。みんな、『ナイスコース!』あるいは『よし!』という意味だと思っています。

審判が自分に『打てーッ!』と命令しているとは思わないから、日本のバッターは平然と見送って、バッターが有利になるカウントまで待つことができるのです。その結果フルカウントが多くなるのだと思います。」

すると彼はこう言って黙ってしまいました。

「だって日本はもう100年以上前からBaseballをやっているんでしょ?それなのに、Strikeの意味を知らないのですか?」

そう、彼の言うとおりです。

生意気なことを言うようですが、日本人は欧米から入ってきたことに対しては、無条件で受け入れてしまう傾向があります。そして疑問を持ちません。

3. 『野球 vs. Baseball』は異種格闘技

"Strike!"を言語として理解できるアメリカ人のBaseball選手にとっては、「打てッ!」という審判からの命令です。するとストライクコースのボールが来たら、ガンガンと打ちにいかざるを得ません。

しかし『ストライク!』を『ナイスコース!』という記号として捉えている日本人打者の場合は、何球でも平然と見送ることができます。

すると、ルールの上では同じスポーツでも、「ストライクコースならガンガン打ちに行く」のと「ストライクでも自分が有利になるまで見送る」のでは、全然別のスポーツになってしまいます。

だから極論すると、『野球』と『Baseball』は異種格闘技なんじゃないかと思います。

少なくとも『ボクシング vs. キックボクシング』ぐらいの違いはあるのではないでしょうか。