【描写部】のトレーニング法
【描写部】はボキャブラリーのパートです。私たちが学校英語で暗記した英単語や英熟語は、全部【描写部】の中のできごとです。
また英会話教室でネイティブやバイリンガルの講師達が行っている授業は、「こういうシーンではこういうフレーズを使いましょう」というフレーズ中心の授業です。
これらフレーズ中心の授業も【描写部】を目的とするものばかりです。
ここNoteのレスキュー船では、英単語を覚えるのに「日本語の文字」から覚えるのではなく、漫画やイラストを使って覚えます。
私たち日本人は漫画文化を産み出した民族です。なぜ日本人が漫画文化を産み出せたかというと、日本人が他民族より「高度なイメージ処理ができる脳」を持っているからです。
せっかくのイメージ脳を英単語の暗記にも応用しよう、という訳です。
ちなみに上のヘッダー画像のイラストは、「cross at the crosswalk (横断歩道を渡る)」を表しています。
1. 本屋の英語書棚は暗記モノばかり
本屋に行って「英会話本」の書棚を見てください。多くが「英単語・英熟語の暗記本」です。
誰でも何冊か購入したことがあるでしょう。そして全員が「とても全部は暗記できない」と感じた経験があるでしょう。
おそらく「絶対覚えられる!英単語5000語」のような本で、全部覚えた人はほとんどゼロ人でしょう。だから自分を含めてこういう本を買う人は、「買っただけで覚えた気になれる」便利な性格の持ち主でしょう。
2. なぜ覚えられないの?
ではこういう「英単語本」ではどうして覚えられないのでしょう?
これらの本で採用されている記憶スタイルは、「文字⇒文字」の覚え方です。
例えば今僕の手元にある本では、次のように載っています。
これは「日本語の文字 ⇒ アルファベット」という「文字⇒文字」の覚え方です。
この覚え方では人間の記憶力に限界があります。例えば100個の単語を暗記しても、3日後には70%以上を忘れてしまうでしょう。
さらにこの覚え方では、覚えた単語を実際の英会話のシーンで使えません。実際の場面で、「えーと、『歯を磨く』って何と言うのだったっけ?」というように、文字で記憶を検索してしまいます。
せっかく『歯を磨く』シーンに遭遇しているのですから、直接その状況から英単語を検索した方が早いに決まっています。
3. 漫画やイラストで英単語を記憶
日本人は『漫画民族』です。
僕は日本人が漫画文化を産み出したのには、理由があると考えています。
それは平仮名と漢字の混じった文字文化です。平仮名は『表音文字』、漢字は『表意文字』です。
表意文字とは一種の「イメージ文字」です。これが日本人の脳を、欧米の民族の脳より高度なイメージ処理ができる脳へと、進化させたのではないかと推測しています。
これが日本人が『漫画文化』を産み出した理由ではないかと思っています。
日本人が欧米人よりすぐれたイメージ脳を持っているならば、英単語の暗記にそれを使わない手はありません。
『日本語文字 ⇒ 英単語』という覚え方の代わりに、イラストを使って『イメージ ⇒ 英単語』で覚えるのです。
4. ベストセラー本『起き寝る』をイラスト化
アルク社のベストセラー本の一つに『起きてから寝るまで・英語表現1000』があります。
これは1980年代に出版された初版からずっとベストセラーを続けている名著です。
この本の中に出てくる英語フレーズのうちの400個を、イラスト化しました。もちろん、僕にはイラストを描くのは無理なので、プロのイラストレーターさんに頼みました。
そしてこの本の中の「日本語文字 ⇒ 英単語」の覚え方と、「イラスト ⇒ 英単語」の覚え方を両方試してみました。自ら実験台となって、試してみたのです。その結果、、、
ここNoteの【描写部】トレーニングでは、このイラスト400個を全部使って、イラストから覚えると英単語はどれだけ覚えやすいか、を読者の皆さんに体験していただこうと思います。
5. イラストの例
上に表示したイラスト三つは、「2」で出てきたフレーズ三つのイラストです。
次のように「日本語文字 ⇒ 英語フレーズ」で覚えるときと、上のように「イラスト ⇒ 英語フレーズ」で覚えるときとで、どちらが覚えやすいかを感じてみてください。