イギリス TPP加盟へ 食品輸出への影響は?
こんにちは、Kazです!
本日2023年7月16日に、英国のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への加入を正式に承認されたことを受け、イギリスがTPPに加盟したことによって、日本からの食品輸出にどんな影響がありそうなのか、簡単に書いていこうと思います。
イギリス加入によるTPP経済圏の変化
本題に入る前に余談ですが、イギリスは、2020年1月31日にEUを離脱(通称:ブレグジット)しました。
EUが採用している制度から実質離れることになりましたので、輸出入の制度もEUと徐々に差が出てきて、独自の経済圏や制度を構築していなければなりませんでした。
もちろん他にも理由はあると思いますが、そういった背景を受けて今回のTPPへの加盟に至ったということが推測されます…
さて、余談はここまでで、イギリスがTPPに加盟したことによって、TPP経済圏はどのように変わるのでしょうか??
ざっとさらってみると、下のように変わるようです。
加盟国数:11カ国 → 12カ国
GDP合計:11.7兆ドル → 14.8兆ドル (+約3兆ドル)
世界で占めるGDP割合:12% → 15% (+3%)
貿易総額:6.6兆ドル → 7.8兆ドル (+約1兆ドル)
総人口:5億1,000万人 → 5億8,000万人 (+7,000億人)
単純に、イギリスの加入により、TPP経済圏が大きくなったということですね。
TPPの影響がある品目は、農産物で約600品目ありますので、日本からの食品の輸出にどんな影響があるのか、具体的に把握してくことは難しいのですが、少なくとも幅広い品目に影響があるのは間違いなさそうです。
イギリスへの2022年の輸出状況
そもそも、イギリスは日本の食品輸出にとって、現在どのようなポジションをとってきたのでしょうか?
せっかくですので、このタイミングで復習してみました。
まず、これまでのイギリスへの輸出額(農林水産物・食品)の推移を見てみました。
2022年は、2012年からの10年間では過去最高の輸出額ですね、
さらに、2022年では、日本にとってイギリスは18番目に食品を輸出している国ということです。
日本にとって輸出額は「めちゃくちゃ大きい国」ではありませんが「一定量はある」という感じの国ですね…
では、イギリスには日本のどんな食品がメインに輸出されているのでしょうか?
イギリス向けの2022年の『農林水産物・食品輸出品目ランキング』は下記の通り。
圧倒的1位は『アルコール飲料』ですね、
「やっぱり日本酒?」と思い調べてみましたが、個人的には意外な結果でした…
1位は『日本酒』でしたが、ほとんど同じ量の『ジン』も輸出されているようです。
ジンもウイスキーも、これからの伸びが非常に楽しみですね…!
ちなみに、6位のスープ・ブロスには『だし』が含まれているようです。
*さらにちなみに、10位の『ラノリン』というのは「羊の毛についた油を精製したもの」のようで、革製品の表面保護や化粧品・ヘルスケア製品にも使われるものようです。
これも農林水産物としてカウントされるんですね…
イギリスへの食品輸出はどう変わるか?
現時点でのイギリスへの輸出額・輸出商品を見てきましたが、TPPに加盟してから「輸出額や輸出商品がどう変わっていくか?」が気になるところですね…
最初の方でお伝えしたことの繰り返しになりますが、TPPの影響がある品目は、約600品目(農産物)ありますので、輸出全体に影響があることは間違いないでしょう。
中でも、期待されているのは『コメ』の輸出拡大です。
『コメ』の輸出拡大が期待される理由は、すでに『EPA』という経済連携協定をイギリスと日本は結んでいるわけですが、その協定を結んでいるにも関わらず、日本から輸出する『コメ』(詳しく言うと、精米)には関税がかかっており、その関税が、今回のTPP加盟によって撤廃される予定だからです。
約600品目に対して、関税撤廃・緩和の可能性がありますので「自分が扱っている品目の関税はどうなるのか?」という点はぜひチェックしてみてください!
という事で、今回はここまで…
もしあなたの食品輸出事業で「こういう所で困っている」「この課題はどう解決すればいいんだろう…?」「この件についてどう思いますか?」など、質問したいな、ということがあれば、ぜひお気軽にお尋ねください!
食品関連の海外新規事業立ち上げ・実行、日本・東南アジア・ヨーロッパ・アメリカでの営業戦略立案〜実行、各国への輸出規制調査等、経験し実践してきました(海外駐在経験あり)ので、貢献できることもあるかなと思っています!
では、みなさま素敵な1日をお過ごしください〜!^^
Kaz
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