第11回/ウエストハムはこのままでよい
気が付けば新年度が始まり半月以上が経過してしまった。
また間が空いてしまっている。。。
何とか2週間に1回のペースにするよう頑張ります。
本日はプレミアリーグの愛するチームについて。
ウエストハムがなかなかピンチです。
31節終了時点で他チームより1試合消化が少ないものの
現在15位。
降格圏の18位ノッティンガム・フォレストとの勝ち点差はわずか4。
危険な状況である。
低迷の理由は様々あるが
得点29(リーグ15位) 失点41(リーグ11位タイ)が示すように
攻撃陣の貧打。
開幕前にルーカス・パケタやジャンルカ・スカマッカを獲得したものの
思うような結果が数字として表れていない。
(試合を見る限り彼らの出来が決して悪いのではなく、チームとして有機的に作用していないだけのように見える)
序盤は「まぁここからでしょ」と悠長に構えていたものの
シーズン終盤に入り、いよいよヤバイ雰囲気になってきた。
今回の記事は、そんな中観戦した第31節 ホームのアーセナル戦の雑感を纏めていこうと思う。
下記、時系列の試合展開ならびに筆者の心情である。
・試合の最序盤は前から激しくプレスをかけ、それがなかなかハマっていたウエストハム。
しかし、その流れが少し落ち着いた前半7分にガブリエル・ジェスス、前半10分にマルティン・ウーデゴーに決められ、開始わずか10分で0-2。
ピッチを横・縦に大きく展開して華麗に崩された。
守備の人数は揃っているがアーセナルの人の動きにウエストハムのディフェンス陣が全くついていけていない。
「マークにすらつかせてもらえない」ような感覚だ。
この時点で筆者は怒りと悔しさで携帯をぶん投げ、観戦中止を検討する。
「今日何点取られるんだよ。。。」
監督のデヴィッド・モイーズはチームの立ち上がりの入り方について、
"Yes, we went 2-0 down, with maybe a bit of not tracking players, or not concentrating and blocking crosses, but I actually thought we started the game quite well."(https://www.whufc.com/news/moyes-players-showed-character-resilience-and-toughness-required)
と「正気か」と疑うような能天気コメントを出していた(「良かった」と言っているのは失点前の数分の話か?)が
今後の試合でも開始数分で複数失点しているようではなかなか厳しい。
・その後ウエストハムが「前から」というよりは「ブロックを作って」守り始めると、やがてアーセナルの動きが停滞し、試合が落ち着き始める。
アーセナルがいわゆる「持たされている」状態だ。
アーセナルとしては願ったり叶ったりの状況になるはずであったが、
ウエストハムの4バック+中盤の4枚(ルーカス・パケタは途中から2トップぽく振舞っていたので中盤が4枚という並び)のブロックが良い距離感で守備をするため、なかなか崩しきれない。
ウエストハムはボールを引っ掛けて奪うと、素早く前線の選手に預けてチーム全体を押し上げる。
マイケル・アントニオ、ジャロッド・ボーウェン、サイード・ベンラハマの3人はいずれも単独でスピードに乗りながらドリブルする能力に長けており、彼らが作り出す時間が大きな武器となっていた。
この時間帯こそ筆者の大好きな「ウエストハム」っぽい時間帯。
ワクワクする。
・前半33分 アーセナル陣内でトーマス・パーティからボールを奪ったデクラン・ライスが中央のパケタにパス。
パケタがガブリエルに倒されPKを獲得し、ベンラハマが決める。
1-2。
ライスのボール奪取能力の高さが光ったシーン。
この選手の「ここぞ」という時の前へ飛び出しての守備は素晴らしい。
一方、パーティはこのミスから上手く切り替えが出来なかったのか
その後イージーなミスがあったり、イエローを受けるなど
このプレーから自信を失い崩れていった印象。
TV映像もそのあたりを感じ取っていたのか、その後曇り気味の彼の表情しばし抜いていた。
・後半開始早々、アントニオのハンドでアーセナルがPK獲得。
しかしブカヨ・サカがこれを外す。
このシーンも試合のターニングポイント。
PKを取られた瞬間、筆者は「やっぱ今日も負けるんかぁ」とひどく落ち込んだが、PKが外れた瞬間俄然盛り上がる。
サカは罪はなく、大変申し訳ないが。
・後半9分、アーセナルのクリアを拾ったティロ・ケーラーが前線にロングボールを送ると、走りこんだボーウェンがダイレクトで左足を振り抜き同点。
若干形が異なるが、アーセナルの2点目ウーデゴーの形と似ていた。
単純に素晴らしいシュート。
・その後は両チーム決定機を迎えるも、ゴールは割れず2-2のドロー。
試合内容的に後半もある程度チャンスが作れていただけに
筆者としては「引き分けは悪くないけど、勝てる可能性もあったなぁ」と若干の悔しさが残る試合だった。
【筆者感想①】
たしかに中盤にタレントはいて、もっとクリエイティブなフットボールができるのかもしれないが、やっぱりウエストハムは守備ブロックを作ってからの速攻の方が迫力があるし、観ていて楽しい。
結局一昨シーズンから調子が良いのは、このやり方がハマっていたからのだからこれを続ければ良い。
【筆者感想②】
やっぱりアントニオはすごい。
相手を背負ってキープもよし、クロスに合わせるヘディングもよし、
ボールを受けて前へグイグイ進むドリブルもよし。
本当に万能型のFWだ。
「もっと得点獲れるFWほしいよね」とセバスティアン・アレやスカマッカを獲ってみたりするものの、結局いつもアントニオが出続けているのは
得点以外での貢献度が高いからだろう。
【筆者感想③】
ほぼ今シーズンでの退団が既定路線のライスのモチベーションが一向に落ちないのが素晴らしい。
プレー面においては全くプレー強度が落ちる様子もないし、
精神面に関しても今シーズン苦しい時期に何度もメディアを通じてメッセージを発信し続けてくれている。
退団が決まると露骨にモチベーションを下げたり、揉めたりする選手もいる中、こういう選手がいると送り出す方も気持ちよく送り出せる。
人間として素晴らしい。
前キャプテンのマーク・ノーブルの素晴らしい指導があったのかもしれない。
リーグ戦では苦戦を強いられているものの
ECLでは順調に勝ち進んでいる。
ヨーロッパの舞台では結果が出せるほどのクオリティを間違いなくチームは持っているのだ。
だからこそ、もっとやれるはずと期待している。
このチームは一昨シーズンからの方向性をこのまま継続すれば間違いないのだから。
リーグ戦では早めに残留を決め、
欧州の舞台では昨シーズン準決勝で涙を飲んだELの悔しさを
今年はECLで晴らして欲しい。
そしてライスを気持ちよく送り出してあげようじゃないか。
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