[無料記事]1回東京8日目第11競走 第42回フェブラリーステークス 予想
※レースの概要
フェブラリーステークスは東京競馬場のダート1600mで行われるG1競争で
1984年にG3フェブラリーハンデキャップとして創設され、1994年にG2に
1997年に中央競馬初のダートG1競争に格上げされた。現在、中央競馬で
行われているダート重賞では東海ステークスと並んで最古の歴史を誇り
創設時からレース距離、開催場所ともに変わっていない。
フェブラリーステークスはレース名通り2月に行われ、その年の中央競馬の
G1開幕戦として定着している。本競争は上半期の国内ダート最強馬決定戦に
位置づけられており、優勝馬にはブリーダーズカップクラシックへの優先
出走権を獲得することができる。
※コース概要
スタート地点は向こう正面右側の引き込み線から。ダートG1の行われる
コースでありながら芝スタートであり、しかも内枠と外枠とでは
芝を走る距離が異なるという癖のあるコース設定と言える。内枠発走では
約150mの芝コースを走ることになり、外枠はさらに30mほど芝部分が長い。
3コーナーまでの距離は約640mで、3~4コーナーにかけてほぼ平坦。
最後の直線走路は501.6mで国内ダートコースでは最長距離を誇る。
また途中に緩やかな坂があるのも特徴だ。
東京ダート1600mといえば屈指の外枠有利コースと言われるが、それは
条件戦などの平場の場合であり、OP特別以上のレースでは、枠番での
有利不利は誤差と思っていい。
※好走馬の条件
父ミスタープロスペクター系×母父サンデーサイレンス系に要注意
過去10年の父系の系統別成績は以下の通り。
ミスタープロスペクター系:6-4-3-37/50
サンデーサイレンス系:2-4-1-46/51
その他のヘイルトゥリーズン系:0-0-0-3/3
ノーザンダンサー系:2-0-3-23/28
ナスルーラ系:0-2-3-21/26
以上の通り、父系はミスプロ系が圧倒的な好成績を誇っている。
次に母父系を見てみよう。
ミスタープロスペクター系:3-2-6-32/43
サンデーサイレンス系:2-2-2-34/40
その他のヘイルトゥリーズン系:2-0-1-17/20
ノーザンダンサー系:3-5-1-33/42
ナスルーラ系:0-1-0-0/10
以上の通り、母父に関してはナスルーラ系以外ならそれなりにチャンスが
あると言えそうだ。
配合的には父ミスプロ系×母父SS系は2-2-1-16と人気薄でも好走してくる点
に注意が必要だ。逆に苦戦しているのは父ノーザンダンサー系×母父SS系で
期間中の対象馬11頭が全て馬券外に沈んでいる。また父系、母父ともに
北米ダートの好走実績が必須でG1勝利実績なら文句なし。できればG2以上の勝利実勢が欲しい。
前走は根岸S、チャンピオンズカップ、プロキオンS組を評価
前走のレース別成績を見ると、出走数最多の根岸S組が4-2-3-43と勝ち星こそ
トップの4勝をマークしているが、連対率、複勝率共に低めだ。この組の
好走馬9頭は全て根岸Sを連対していた。プロキオンS組(旧東海S組)は
3-1-1-15で勝利数こそ根岸S組に劣るが、連対率、複勝率ともに高い数字を
示しており、なかでも1着馬は2-0-1-3と複勝率で50%を誇る。
チャンピオンズカップ組が3-2-2-9で高相性といえる。ただしチャンピオンズCとフェブラリーステークスは、求められる適性から成績が非直結傾向に
ある。中京ダート1800mに合わなかった馬の巻き返しは考慮しておきたい。
前走上がり2位以内
中央競馬のダートG1は馬の絶対能力が問われ、芝のレースよりもペースの
上下が少ない。また東京ダート1600mでは後半の上りのスピードが要求
される。前走上り別成績では上り1位:1-1-3-8、上り2位:2-3-0-5と
前走上り2位以内の馬に注目しておきたい。逆に上がり6番以下は0-0-1-31と
厳しい数字となっている。
※注目馬
9番コスタノヴァ
東京ダートは5戦5勝と圧倒的な成績を誇っており、全体成績でも6-1-0-1と
安定している。前走の根岸Sでは出足良く好位に付けると、直線抜け出し4馬身差の圧勝。クラスターカップでの鬱憤を晴らす快勝劇だった。
この時の勝ち時計は優秀の一言で、G1でも十分に勝負できるだろう。
根岸S勝利に加え血統面でも好走条件に当てはまり、スタートさえ決まれば
あっさりと勝っておかしくない。最大の懸念は、ダート戦では明らかに
騎乗成績を落としているキング騎手の手腕と言える。
更に今回は完全なテン乗りとなるがどうなるか見てみよう。
1番エンペラーワケア
昨年の根岸Sで重賞初制覇を飾った。続く欅Sでは斤量59kgに泣き2着としたが、その時の相手は2kgも斤量の軽いコスタノヴァだった。着差から見ても
実力に差は無く、前走の武蔵野Sでは直線で狭い所を抜け出し勝利した。
ダート戦では未だに連対を外しておらず底を見せていない。武蔵野Sでの
勝ち時計は過去10年で最も遅い1分36秒0であり、これはフェブラリーSでの
平均勝ち時計との差が少ない。両レースの差が少ないと成績は直結傾向に
あるため、G1初挑戦とはいえどんなレースをしてくれるか期待をしている。
最大の懸念事項は距離だろう。フェブラリーステークスは馬場の含水率が
低いと中距離志向のレースになることが多い。レース当日は良馬場が
想定されるため、1600mまでなら大丈夫かな?というエンペラーワケアにとっては鬼門になるかもしれない。
11番ペプチドナイル
言わずと知れた昨年の覇者。速い流れを先団で追走し直線では真ん中から
抜け出して圧勝を飾った。重賞未勝利という低評価を覆し、正攻法での
競馬で勝ちを収めたという内容は記憶に新しい。
前走のチャンピオンズカップではラストで一杯となったが5着と掲示板は
確保したが、チャンピオンズカップとフェブラリーSでは成績が直結しない
事もあるので掲示板確保を素直に評価して良いかもしれない。
南部杯ではレモンポップに0.1秒差の2着。地力は確かなものと言える。
好走血統にも当てはまり連覇を目指す。
2番タガノビューティー
今回最も評価に困る馬と言えるだろう。なんといっても前走でスタートの
直後に落馬競争中止である。しかし8歳とはいえ前進気勢は未だ衰えず
最後の直線では、カラ馬とはいえ先頭に立つというシーンも見せた。
東京ダートに関しては実績、経験ともに豊富で末脚も堅実その物。
東京ダート全体成績5-5-3-7が示す通り、馬に合っているコースなのだろう。
展開次第とは思うが面白い存在となってくれるはずだ。
※今回の予想印
◎1番エンペラーワケア
〇11番ペプチドナイル
▲9番コスタノヴァ
△14番ミッキーファイト
×2番タガノビューティー
×8番ドゥラエレーデ
×12番サンライズジパング
×15番ガイアフォース