井浦新さんとプロレス
「Fortune Dream 9」開催まで10日を切りました。今回も大変魅力的なカードが並び、“熱い小橋プロレス”が見られること間違いなしでしょう。
さて、試合と並び毎回注目を集めているのが小橋建太トークバトルです。過去の対戦相手は、長州力、天龍源一郎、佐々木健介、蝶野正洋、豊田真奈美、前田日明、川田利明&田上明、スタン・ハンセンと、プロレス界のスーパーレジェンド揃いです。そんなトークバトルが今回は新展開を迎えます。(第1回のときの話はこちらから)
対戦相手は俳優、モデル、デザイナーとして幅広く活躍中の井浦新さん。映画、ドラマと数多くの話題作に出演し、現在は私が大好きな杉咲花さん主演のドラマ「アンメット」にも出演中のため、毎週その姿を拝見しています。
そんな多忙な新さんがトークバトルに登場するというのだから、これはちょっとした事件です。新さんが小橋さんのコスチュームデザインをしていたこと、Fortune KKのロゴデザインをしたことなどは知られていますが、二人は20年以上の付き合いがあり、小橋さんの熱烈なラブコールによって、今回のトークバトルが実現しました。
私は今回もレフェリー(司会)を務めさせていただきます。会場にはプロレスの知識があまりない新さんのファンの方も来場するし、新さんのことをあまり知らないプロレスファンの方もいるかもしれません。こうした状況で四方向にお客さんがいるリング上でトークをするのは、結構ハードルが高いものです。
基本的にこのトークバトルには、トーク内容に関する事前の打ち合わせがありません。私はどんな弾が飛んできても対応できるように準備しておいて、あとはその場、その場の判断で話を回していきます。打ち合わせをしないのは手抜きではなく、予定調和よりも人物のリアルが出たほうがライブとして面白いからです。もちろん、話がスイングしないリスクもありますが、プロレスの試合とともにラインナップされている以上、それくらいのライブ感がなければ温度感に差が出すぎてしまいます。
このように打ち合わせなしが醍醐味のトークバトルですが、今回は普段はしない打ち合わせ…というか、新さんとじっくり話す時間をつくってもらいました。誤解なきように言っておくと、事前にトークの内容を決めるような打ち合わせはしていません。ただ、新さんのプロレスへの思いを聞いただけでした。
私と新さんは同世代なので、同じ時代のプロレスを見て育ってきています。鶴龍コンビの闘いに熱くなり、獣神サンダー・ライガー選手がシューティングスター・プレスを初公開したときは、「人間じゃねー」と驚き、四天王や三銃士の成長物語をリアムタイムで見てきたわけです。「三沢タイガーがマスクを脱いだときは放送事故のようなドキドキがあった」という感想は当時中学生だった私も同じ感想です。
新さんと話していて、小橋さんが「プロレスラー以外の人とトークをやるなら最初は新さんしかいない」と言った意味がよくわかった気がしました。小橋さん同様に新さんも熱い人です。この日は次の仕事のギリギリの時間まで私と話していて、別れ際には「いつまででも話せますね」と言っていたくらいでした。
今回のトークバトルは、熱い男と熱い男の対戦なので、熱くなること間違いなしです。ただひとつ私が心配しているのは、制限時間が30分しかないこと。たっぷり話を聞きたいけど、限られた時間内でテンポよく話をコントロールしていくことが求められます。
ライブは生き物なので、どう転ぶかなんて誰にも予測できないし、だからこそ面白いのです。今回のトークバトルに際しても私なりの策は用意していますが、小橋さんにも新さんにもそれは伝えていません。現場での勝負になります。
終わったときには、新さんのファンの方がプロレスに興味を持ち、小橋さんのファン、プロレスファンの方がもっと新さんを好きになる…そんなトークバトルにしたいと思っています。