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筒香報道とロッシー新団体

一連の筒香報道で気になったこと

「筒香、巨人入り!」

MLB挑戦を続けていた筒香嘉智選手が日本球界に復帰、古巣のベイスターズではなく、巨人に入団すると、スポーツニッポンが報じたのはおよそ1週間前。どこから得た情報かは定かではありませんが、この報道で「巨人入り決定」のような空気となり、SNSではさまざまな意見(批判)が飛び交いました。

正式な発表ではないにもかかわらず、一部では筒香選手がベイスターズに戻らないことに対して、かなり過激な言葉で批判する人もいました。あるいは移籍先とされた巨人に対しても、きつい暴言を吐く人も多数存在しました。

それから1週間が経ち、事態は急転(ではないのかもしれないけど)、筒香選手のベイスターズ復帰が発表されました。この先どんな結果を残すかどうか以前に、彼はベイスターズの象徴であり、古巣復帰を選んでくれたことが、ファンとしては嬉しい限りです。

さて、筒香選手のベイスターズ復帰は嬉しい一方で、スポニチ報道が出た際のことはどうにも引っかかります。もちろん、誤報を出したスポニチにも「ちゃんとしてよ」と言いたい気持ちはありますが、これはひとまず置いておきます。もっと気になったのは、今回に限らず、第一報や、報道の一部だけを見て、“瞬間湯沸かし器”的に怒りが沸点に達して拳を振り上げてしまう人々に、ちょっとヤバイなという印象を持ちます。

最初のスポニチ報道が出たとき、筒香選手に対して「裏切り者」「金の亡者」「二度と横浜に帰ってくるな」……といったひどい言葉を浴びせた人。そして巨人に対しても同様にひどい暴言を吐いた人たちは、今どんな気持ちなのでしょうか? 匿名のSNSだし、削除できるから、なかったことにしてしまえばいいと思っているのでしょうか? 一方的に誰かを悪と決めつけて殴りつけ、自分が間違っていても知らんふり。この考え方ってすごく危険ですよね。自分は忘れたつもりでも、やられた側には傷が残ります。

現在は情報が溢れかえっていて、正しくない情報が、事実のように表に出ることも多々あります。また、マスコミに限らず誰でも発信ができるからフェイクニュースも多数存在します。さらに正式な取材ができるマスコミでさえも、裏取りを大事にするより、アクセス狙いのやり方を重視する傾向があります。こんな時代なのだから、よくわからない情報に踊らされたり、惑わされたりしないように、個々が情報を見極め、暴走しないことが大切です。

立ち止まって情報をいろいろな角度から考える

プロレス界でも筒香報道と同じようなことが起きています。ロッシー小川さん率いる新団体「マリーゴールド」が発足。この設立記者会見に風香さんと旧アクトレスガールズ勢がやってきて参戦表明したことを受けて、「引き抜き」「やり方が汚い」といった批判の声が多く聞かれました。

小川さんや風香さんに対して過激な言葉を飛ばした人は、どれだけ確かな情報を持って拳を振り上げたのでしょうか? まさか自分の勝手な想像だけで罵詈雑言を飛ばしているわけではないですよね。何も考えず、本当のことを知ろうともせず、雰囲気だけで拳を振り上げ、言葉のナイフをグサグサと刺せる神経の持ち主には恐怖を覚えます。

私もこの件の裏側をすべて知っているわけではないので、誰がいいとか悪いとか、善悪を決めたいわけではありません。ただ、勝手な思い込みで人を殴ったり、刺したりするような行為が当たり前になっていることが、おかしいと言いたいだけです。

例にあげた最近の2件に限らず、近年は報道の一部で判断したり、あるいは間違った解釈をしたりして、過激な言葉で攻撃する人が激増しています。この原因は負の連鎖だと思います。数々の批判の言葉を目や耳にすると、実際の出来事や実際の人物以上に、悪い出来事に感じたり、悪い人物に見えたりして、どんどん怒りの感情が大きくなってしまうのです。

怒りの沸点が低い人が、感情に任せて過激な発信をしないためには、動く前に考えることが大事。情報をいろいろな角度から考えてみると、ファーストインパクトとは違う感じ方をする場合もあります。また、他者の意見に自分をオーバーラップさせず、状況を俯瞰してみてみると、違和感を覚えることもあるでしょう。それは正常な感覚です。

カッとなっても即発信ではなく一度立ち止まって考える。間違った情報に惑わされることなく、誤った解釈で人を傷つけることがないように、情報との向き合い方を考える必要があるなと思う、今日この頃です。

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