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レジェンドトーク裏話

先日、プロレス界のレジェンドトークショーのMCをやらせていただきました。闘魂三銃士として活躍した武藤敬司選手、蝶野正洋さん、全日本四天王として活躍した川田利明さん、田上明さん、小橋建太さんの5人による初のトークショーです。

新しくプロレスファンになった方でも「三銃士」「四天王」というフレーズは耳にしたことがあるでしょう。彼らが中心となった90年代プロレスブームでは、新日本は全国各地でドーム大会を連発、全日本も年6回の武道館と毎シリーズ2〜3回の後楽園ホールは常に超満員。この事実だけでも、いかにその人気がすごかったかは想像できると思います。

彼らは我々世代にとって青春時代のスーパースター。イベントを主催したシャインニングの松尾さんは同世代であり、まさに三銃士、四天王のドンピシャ世代。時を経て、トークという舞台でこうした顔合わせを実現してくれたことに感謝したいです。

トークの内容に関しては、参加者だけのお楽しみということで、SNSでの発信はご遠慮いただいていました(そのほうが出演者がリラックスして話せるので)。というわけで、内容の公開は控えさていただきますが、今回は私がこの散らかり放題のトークを回すためにどんな戦略を立てていたか…という話を書いていきたいと思います。

基本情報として最初にお伝えしておくのは、事前の打ち合わせは一切しないということ。打ち合わせをするのは、入場順や座り位置といった必要事項の確認のみです。「こういう質問をするからこういう話題をお願いします」みたいなことはまったく打ち合わせしません。ライブだからこそ、ライブの空気感を大事にするため、ぶっつけ本番で臨むわけです。

とはいえ、MCが手ぶらで出ていくわけにはいかないので、1時間トークをするとしたら、最低100発の弾は用意しておきます。実際には用意した弾は2〜3発しか使わず、出てきた話から展開していくのですが、スイングしなかったときの備えをしておくことは不可欠です。

今回は席順から戦略がありました。並び順番は小橋建太→蝶野正洋→田上明→武藤敬司→川田利明→MC(佐久間)。このフォーメーションの狙いはこうです。

まずは全日本→新日本→全日本→新日本→全日本の交互の並びにすること。そして、シャイニング主催のトークイベント初出演の川田さんは、MCの一番近くにして、話しやすい環境にする。逆に小橋さんは私ともっとも多くトークイベントをやっているので、一番遠くても意思疎通できるという判断。間に位置取る武藤さんと蝶野さんは、サッカーで言うボランチの役割で、左右のボール奪取から配球まで期待した配置でした。田上さんをセンターにしたのは、口数が少なくても存在感があり、ここ一番で両側までインパクトが届く一言を期待してのことでした。

このフォーメーションを意識しながら、なるべく発言者に偏りがないようにトークの配球をしていきます。打ち合わせなしでも、振ったら面白い返しをしてくれるのは、さすが百戦錬磨のレジェンドたちです。

そしてもう一つ、5人それぞれが話題の中心になれるように、Twitterでもプロレスファンの皆さんにご協力いただいた各人の好きな得意技アンケートを会場で実施。その反応を受けて話してもらえば、確実に5人それぞれのターンがくると考えていたからです。このアンケートの際、川田さんから武藤さんのシャイニング・ウィザードに関する質問があり、いい意味で予想外の展開に発展して、うまく話しが回っていったと思います。

イベント中の私は笑ってるだけで何も考えてなさそうに見えると思いますが、このように頭はフル回転しています。そのため、終わった後は脳が疲弊してドッと疲れが出ます。余談ですが終わって控室で座って「あ〜疲れたぁ」とつぶやいたら、蝶野さんに「40代なんてまだ若手だから疲れないよ」と言われました(笑)。

レジェンドたちに比べればまだまだ若手。またこうした機会があるときにはフレッシュさ全開で頑張りたいと思います。イベントの告知はTwitterやFacebookでしているので、興味のある出演者の際はぜひ私のMCぶりも見に来てもらえると幸いです。


追伸:この場には参加できなかった三沢光晴さん、橋本真也さんも、トークの話題として参加してくれました。

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