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世の中 まだ捨てたもんじゃない
京都からの帰り。
東京駅行きは平日月曜日午後2時だと言うのに混んでいた。
ギリギリ座れて少し経つと、前から赤ちゃんを抱っこして、さらに2歳くらいの女の子を連れたお母さんが乗って来た。
「いいのよ。私は次で降りるから。座って。もう私は立ってるから」と一列目の高齢65くらいだろうか、ご婦人が席を譲ろうとする。でもそれだと女の子が座るか、赤ちゃんを抱っこしてるお母さんしか座れないなぁと見ていると。
2列目の女性が小学校低学年くらいの女の子2人を連れて3人で座っていたが、これまたこの方も次で降りるから、ここを使って欲しいと言った。次は名古屋だった。
「では、名古屋までは座っていただいて大丈夫ですので」と譲られる方は答えたが、2列目の女性は子供を連れて席を立って行った。
そして、譲られた女性は子供2人と心置きなく一列3席を使うことができたのだ。
途中、3列目の私に席を下げて良いかを確認するなど、とても譲られた方も気持ちの良い方だった。
もちろん、私は「どうぞ。遠慮なさらないでください」と答えた。
そしてこれを打ち終わったが、まだ名古屋には着いていない。
次で降りる、の次はこんなにまだ先なのだ。
日本もまだ捨てたものではない。
そう、世の中捨てたものではないと目頭が熱くなった。