お母さんは迷わせたい。子供の選択肢を可能な限り増やそう
3月はじめから小学校に行くことができなかった小2の息子が、とうとう毎日小学校に通うようになりました。長い長い休みの間、好きなゲームや動画を存分に楽しんで「家って最高だよね!」と言っていた息子が、ちゃんと毎日小学校に通えるメンタルに戻るのかを心底心配していたけれど、1週間もすれば「やっぱりみんなで勉強するっていいもんだね」と言ったりしているから子供はすごいなと感心します。
ああ、やっと子供たちが学校に通って勉強したり友情を育んだりできるんだなと胸を撫でおろしながらも、少し私の心は落ち着かなくなってきました。普段は、息子と娘が楽しく生きてくれればいいや、とゆるく子育てしている私ですが、1つだけこだわりがあります。それは、我が子に選択肢をたくさん与えること。
なんて言い方をすると伝わりづらいですが、例えば下戸の私は「お酒を飲まないなんて人生損してるなー」ってよく言われますが、「私はお酒を飲むとめちゃくちゃ眠たくなるし、たまに気分が悪くなるからお酒を飲まないほうが楽しいんだよね」と自身の経験から知っているので、あえて飲まないという選択肢を取れます。それと一緒で、自分で何かをする、しない、好き、嫌い、を明確に選択できるよう知見を広げるのは、小さいことだけどすごく重要なことなのかもって。
子育てしてると定期的に訊いちゃう「大きくなったら何になりたい?」という質問、そもそも子供は「何」の選択肢をさほど持っていないのに、その狭い選択肢の中で考えさせられるのは酷な話だよなあって思います。現に私自身は伸ばすべき特技もなりたい職業もなく大学受験に突入したクチで、我が子が大人になる過程で本当になりたいものに出会えたら、それはすごく素敵なことだろうなと。でも、皆がなりたいものになれるわけじゃないので、なれなかった時は「じゃあ別の道を探そ」って立ち直れる術も与えておきたいよくばりな親心。とにかくそんな思いから、息子や娘には世の中にいる色んな人を見せたいし会わせたい。こんなことやあんなこともできるんだ、何になったっていいんだ、そんな希望を与えたい。これがダメならあれをやろう、って挫折した時に絶望しないよう選択肢をできるだけ多く与えたい。
この4ヶ月、学校も学童保育も、保育園も習い事も休ませて、子供たちの感染リスクを可能な限り抑えることに注力してきたけれど、そろそろ選択肢を増やす経験づくりを再開しないとなあと心がざわついてきました。
息子がやってみたいって言ってたバスケの体験教室を調べないとな、とか、休みの間にハマった名探偵コナンの新作映画はぜひ映画館で観たいね、とか、久しぶりのこの感覚。
私の後輩まなみんが、バスケに興味がある息子のためにB.LEAGUEのアルバルク東京の試合に連れて行ってくれたおかげで、ゲーム好きなお兄さんだと思ってた下田くんが実はGMOアスリーツのすごいマラソン選手で毎日何十キロも走ってることを知ったおかげで、スポーツ選手の大変さ、すごさを知った息子。
『映像研には手を出すな!』を観てアニメが膨大な絵の連続で、それをたくさんの人が集まって作ることで1つの作品ができていることを知った息子。
ちょっぴり夜更かしした夜に、嵐の桜井君は歌ったり踊ったりできるのに、ニュースキャスターもできちゃうんだねえ、と知った息子。
大勢の大人の中から憧れの将来像を見つけるか、はたまた誰でもない新しい誰かになるのか、今はまだわかりませんが、本人が選び取るまではたくさんの選択肢を見せてあげたいと思います。親がそんなことを意識しているのを知ってか知らずか、当の息子は最近こんなことを言っていました。
「あのね、まだ決定じゃないんだけどさ、大きくなったら家具職人か、ゲームを作る人になりたいんだよね~。どっちにしようかすごい迷う~~!」
ゲームは毎日やってるので何となく想像ついたけど、家具職人はどうして辿り着いたのか想像がつかなかったので聞いてみたら、Nintendo Switch『あつまれ どうぶつの森』のDIYの影響と、テレビでヒロミさんが楽しそうに誰かに家具を作ってあげてるのを観たからだそう。なるほど、いいね。
「仕事ってもはや1つを選ぶ必要ないから、平日はゲーム会社でゲーム作ってさ、休みの日にお家の庭で家具作ってminneで売りなよ。」
そうアドバイスして母はまた選択肢を増やしていく。
「仕事っていっこじゃなくていいんだ!迷う~!でも言っとくけど、まだふたつに決めたわけじゃないからね!」
目を輝かせて迷う息子を眺めているだけで楽しくなるなあ。お母さんはまだまだ迷わせたい。
将来本当に迷ってアドバイスを求められた時のために、お母さんも色々勉強しておこうっと。
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