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赤い霊柩車

山村美紗サスペンス「赤い霊柩車」ファイナル。ついに30年39話が完了。2時間サスペンスが大好きで、その中でも、片平なぎさ主演が大好きで、その中でも、赤い霊柩車が1番好きだった。感謝を込めて最後に私の「赤い霊柩車」愛の叫びを記しておきたい。サスペンスは殺人事件前提なので、暗く悲惨でドロドロになりやすい。そこに、明るく品があり、愛くるしく、知的好奇心でキラキラしている片平なぎささん演じる明子の清涼感がその空気を一変させる。神田正輝演じる医者の春彦さんの柔らかで知的で粋な笑いで包み込む優しさが、明子さんと私達に安堵を与える。そして、遠距離恋愛の婚約者というちょっと危うい甘い関係に魅了される。大村崑と山村紅葉のお約束の小漫才と小コントコーナーで一息。そして必ず大村崑に怒られる社長の明子への同情と共犯意識。無駄に怪しい柔らかなダンディさを撒き散らす若林豪の狩矢警部。どこを切り取っても絵になる風情溢れる京都の街角(化野念仏寺、八坂道、南禅寺水路閣、渡月橋は必ず登場)。容疑者は、花道家、茶道家、老舗菓子店、老舗呉服屋、友禅作家、清水焼作家、書家、能役者、歌舞伎役者、芸者、舞妓、置屋の女将、老舗旅館の若女将若旦那など、日本文化まみれ。そして、最後には人の優しさが溢れて涙涙の大団円。そこに切ない系のエンディング曲が流れる。殺人事件という悲惨さと暗さとドロドロ人間関係に、これらの対局の明るさ、優しさ、笑い、甘さ、美しさ、上品さで対峙した抜群のバランスとケミストリーを醸し出した作品。最終回は、83才の狩谷警部、72才の30年間婚約者の春彦さん、91歳の1級葬祭ディレクター秋山さん、62歳の事務員、63歳の明子さんとあり得ない年齢のギリギリの布陣で天晴れ。最後のゲストが2時間サスペンスでお馴染みの名バイプレイヤーの松下由樹、羽場裕一、奥貫薫、榎木孝明で大満足。チャラい船越英一郎との小京都ミステリーシリーズも大好きでした。片平さん、最後までチャーミングでいてくれてありがとう。2時間サスペンス万歳❣️

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