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ニューヨークジャズクラブ訪問記③(Smoke Jazz Club編)

2024年11月、ニューヨークに1週間滞在し、あちこちジャズクラブを巡りました。観たステージは6日間で8公演!①Blue Note New York編②Village Vanguard編に続き、その時の訪問記です。

※①Blue Note New York編は、note公式マガジン「#音楽 記事まとめ」に選んでいただきました。ありがとうございます!

では、第三弾スモークジャズクラブ編、いってみます!

③Smoke Jazz Clue

今回行ったジャズクラブの中では唯一、アッパーウェストサイドという住宅地が広がるエリアにあります。

一言で言えば、おしゃれ・・・!何もかもがおしゃれ・・・!!

ジャズクラブにしては珍しく、外から中の様子が覗けるようになっています。

表通りからも目を惹きます

上の写真にある正面の扉ではなく、向かって左の入り口から入るようになっていて(私はもちろん間違えました💦)、中に入るとまずカウンター式のバースペースがあります。

バーカウンターも映画のワンシーンのよう

受付でそしてビシッと決めたスタッフの方が、にこやかに迎えてくれます。上質かつ心のこもったおもてなし。

そしてジャーン!いよいよレストランスペースに入ると、目に飛び込んでくる「SMOKE」と掲げられたステージ。毎度のことながら、本当に来たんだー!と実感する感動の瞬間。

特別な夜という感じ

お客様も、皆さんおしゃれして来られているような印象。私と同席(お向かい)になったのは、地元在住の、中年ぐらいの女性の方。専門的なお仕事をされていて、よく来られている常連さんのようでした。

彼女の前のお料理があまりにも美味しそうだったので、「それは何ですか?」と訊くと「サーモン。ブロッコリーも追加でつけるのがおすすめよ」とのこと。「私もそれにします!」と即決。

お料理が運ばれてくると、なにこれ、うま・・・!!芸術的にグリルされたサーモン、それと完全に調和した滑らかなマッシュポテトと付け合わせの野菜、程よく塩気の効いたブロッコリー。

今回の旅ではそんなにレストランを巡らなかったというのもあるのですが、間違いなくニューヨークで食べた中で一番美味しかったお料理でした。

席の雰囲気も素敵です

ちなみに、彼女が「残したら持ち帰ることもできるからね」と教えてくださり、スタッフの方に「これ包んであげて」と声をかけてくださったので、翌日の朝も温め直したサーモンとブロッコリーを堪能しました。幸せ♡

さて、同じお料理をいただきながら、開演までの間、しばし彼女とお話させていただきました。直近の大統領選挙の結果について、コロナ後のニューヨークの様子について、ニューヨークでも気候変動の影響を感じており心配していること、女性の地位向上について、ジャズや音楽の何を素晴らしいと思っているか・・・等々。

もうちょっと英語力があったらなぁと冷や汗をかきつつも、なんとか伝えようとする私の話にもふんふんと耳を傾けてくださり、特に音楽の話では、「人と人が繋がれる音楽って素晴らしいわよねー」「だから特にジャズが好きなんです」と意気投合。嬉しかったです。

さて、この日のステージは、”Steve Davis All-Star Sextet”(※セクステット=六重奏の意味)というバンド。公式HPには、かのチック・コリアからの「スティーブ・デイビスはトロンボーンの詩人である」という推薦コメントが掲載されており、彼のアルバムリリースを記念したライブのようでした。

他にトランペット、テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムという編成。バンドメンバーも年齢層高め、長く第一線で活躍されてきたミュージシャン同士なのであろう、熟練した大人のステージという感じでした。

大人のムード漂うステージ

その中でも私が特に気になったのは、Renee  Rosnes(リニー・ロスネス)さんというピアニスト。端正な佇まい、全体を整えるような正確なタッチ、それでいて豊かな表現力。自分が自分がと主張し過ぎるわけではないけれど、確かな存在感。女性としてもピアニストとしても憧れちゃうなぁーという感じでした。

ちなみに彼女のご主人も有名なピアニストさんなんだそうです。終演後、私の同席の女性やレストランのスタッフとも親しげにお話されていて、ご主人(その日はいらっしゃいませんでしたが)も含めて、皆さん知り合いのよう。他の出演者の方々も、お客様に混じってバーエリアで歓談されていました。

ニューヨークはいろんな人がいるけれど、意外にコミュニティは狭いとも聞きます。スモークはそんな大都市で、価値観の合う人が集まり、音楽を聴きながら、馴染みの人に会ったり、芸術や社会や生き方等いろんなことを語り合ったりする場にもなっているのかもなぁと思いました。

そして異邦人である私も温かく迎えてくださり、そんな「大人の社交場」を覗かせていただいたことに感謝した夜でした。

①Blue Note New York編、②Village  Vanguard編、④Mezzrow編はこちらから。

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