ニューヨークジャズクラブ訪問記④(Mezzrow編)
2024年11月、1週間ニューヨークに滞在し、あちこちジャズクラブを巡りました。観たステージは6日間で8公演!①Blue Note New York編、②Village Vanguard編、③Smoke Jazz Club編に続き、④メズロー編です。
※①Blue Note New York編は、note公式マガジン「#音楽 記事まとめ」に選んでいただきました。ありがとうございます!
メズローと、その⑤でご紹介するスモールズジャズクラブは運営母体が同じで、場所もグリニッジビレッジの、道路を挟んだ目と鼻の先。ライブスケジュールも共通となっていて、同じHPに並んで掲載されています。
例えば、本記事執筆時点での、今週のスケジュールはこんな感じ(HPよりスクショしてお借りしました)
各イベント名から、編成や共演者などが掲載された詳細ページに飛べるようになっていて、お好みのステージを選ぶことができます。(配信もここから観られます)例えば、9:00pmからはスモールズで、10:30pmはメズローで、なんてハシゴすることもできるし、今日はメズローで通しで、なんてこともできます。
1回の公演時間は、だいたい1時間ぐらい。それに前後のご挨拶や入れ替えも含めて90分ほどというところ。
ちなみに・・・最初にスケジュールを見た時は、じゅ、10:30pmどころか12:00amスタートもあるんだ!!とびっくりしたのですが、これもニューヨークならではという気がします。
(もしご興味があれば、実際のHPをどうぞ↓)
さて、メズローの入り口は、昼間に通りがかると見逃してしまいそうな場所にあります。え、ここ?という目立たない階段を下りていき、ピアノの鍵盤を模したサインが掲げられた扉を開けると、そこは別世界。
入ってまず感じるのはなんとも言えない温かみ。例えるならば、冬の寒い日に、みんなで秘密の地下室に集まって、音楽を聴きながら一緒に温まりましょう、というような、優しい明るさと親密さに満ちています。
スタッフの皆さんもとても親しみやすくフレンドリー。ステージが始まる前後には、マネジャーの方が出てこられて、出演者の紹介と「音楽へのサポートをありがとうございます」という挨拶をされていました。
私は2日間通って3公演を聴きましたが、「垣根がない」と言っていいほどの演奏者と観客の距離の近さ、そしてどちらもがリラックスして自然体で、同じ時間を共有して楽しんでいるのが印象的でした。それなのに(というのもヘンかも知れませんが)、演奏のレベルはめちゃめちゃ高いというのがすごいですよね!
私が観た中で一番好きだったのが、Asen Doykin(アセン・ドイキン)さんというピアニストのトリオ。1曲1曲を慈しむような端正で真摯なプレイ、ベースやドラムとの自然な一体感に、うっとりすると同時に、心がほっこりと温かくなりました。
メズロー・スモールズともに、ニューヨークのジャズコミュニティにおいて大切な場所になっているようで、いろんなミュージシャンに演奏の場を提供する役割も果たしているのだろうと推測しました。ここから大きく羽ばたいていった有名ミュージシャンも多いそうです。
HPから、過去の出演者のアーカイブもずらり観ることができますので、色々聴き比べてみるのも面白いです。この多様性と厚みがニューヨークのジャズコミュニティの素晴らしいところなんでしょうね(東京も負けてないと思いますが)
https://www.smallslive.com/search/archive/
そしてメズローでは、思いがけず素敵な出会いが!ニューヨークで20年に渡りトランペッターとして活躍され、この日はスタッフとしていらしていた佐々木亮さん。
あれこれお話した後、「今週の日曜にスモールズでジャムセッションのホストをするから来ませんか?」とお誘いいただき、これが私にとって滞在中最高の思い出のひとつとなりました。これも旅の醍醐味!詳しくは⑤スモールジャズクラブ編で書きたいと思います。
その⑤(近日公開予定)に続きます。
①Blue Note New York編、②Village Vanguard編、③Smoke Jazz Club編、⑤Smalls Jazz Club編はこちらから。