ペルノ・リカール、2億5000万ドル投じ米でカーボンニュートラル蒸留所を建設
フランスの世界的酒造メーカー、ペルノ・リカール社は、米ケンタッキー州マリオン郡に、ジェファーソンズ・バーボン・ブランドを製造するカーボンニュートラルな蒸留所を建設する。この建設には約2億5千万ドルを投じる計画だ。
ペルノ・リカール社では、環境の持続可能性に焦点を当てた一連の計画を発表している。最近では、5000万ユーロを投じて今後4年間でアイルランドのミドルトン蒸留所のカーボンニュートラルを進める計画のほか、シーバス・ブラザーズ・ブランドの蒸留については2026年までのカーボンニュートラル達成を目指す。また、アブソルートウォッカ用の瓶を生産するのに、水素燃焼ガラス炉へ投資する計画も発表している。
ペルノ・リカール社では、2030年までにCO2排出量を半減し、2050年までにネット・ゼロを目指すという目標を掲げる。ペルノ・リカール社では2022年、サステナビリティボンドを2種発行し約19億ユーロの資金を調達しているが、この債券は、スコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量の絶対値の削減と、蒸留所における単位当たりの水使用量の削減という目標達成に紐づけられている。
ペルノ・リカール社では、新しい蒸留所や倉庫において、再生可能な電力を利用した電極ボイラー、敷地内の電気トラックと施設用車両(同じく再生可能な電力を利用)、太陽光などの自然エネルギーの大規模活用などの新たな低炭素技術も採用する。
また、原料や樽の調達には、地元の農家やサプライヤーと提携を進める。ケンタッキー州の蒸留所については、米国内でグリーンビルディング認証「LEED」を取得予定だ。
ペルノ・リカール・ノースアメリカ社のアン・ムカジー(Ann Mukherjee)会長兼CEOは、「当社は、事業の中核が農業です。ですから、私たちが農家や生産者の方々とともに、この分野をリードし、人々、産業、地球が長期的に持続可能であることにコミットし続けることは極めて重要です。今回の投資は、そうした私たちの信念を示す最新の例でもあります」と述べた。
ケンタッキー州の蒸留所は2023年早々に建設を開始し、2025年の完成を目指す。