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リアルタイムでEV充電スポットの空き状況を知らせるシンガポールのアプリ「MyTransport.SG」

シンガポールのEV(電気自動車)ドライバーは、モバイルアプリ「MyTransport.SG」を利用することで、リアルタイムに充電スポットの空き状況を確認できる。

シンガポール陸運局(LTA)は2022年11月28日、アプリユーザーに、リアルタイムでEV充電器の利用可能情報が提供できる新機能を導入した。LTAによると、アプリ上に掲載されている約1400カ所の充電スポットのうち、半数の約700カ所に関して、リアルタイムで空き状況が確認できる。

これら約700カ所の充電スポットは、コンフォートデルグロー・エンジー(ComfortDelGro Engie)社とSPモビリティ(SP Mobility)社の運営するものだ。まずは、この機能をユーザーが試用できるベータ版として公開し、今後、より多くの充電事業者と協力を進めることで、充電器のデータを拡大していくという。2022年11月に国会でEV充電法案を審議した際に、S・イスワラン(S. Iswaran)運輸相はこの機能について言及していた。

現在、アプリ「MyTransport.SG」には9つの事業者が掲載されており、それぞれが独立したアプリと決済方法を展開している。

シンガポール全体にはEV充電ステーションが3,600カ所以上あり、2025年までに、さらに12,000カ所が住宅局の駐車場全体に設置される予定となっている。シンガポールでは、2030年までに全島で60,000カ所の充電ポイントを整備する予定だ。

現在は、充電器の場所や空き状況を知るために、個々のEV充電サービスに登録して確認しなければならず、その点でEVドライバーは不便を強いられている。また、現段階では、充電器のリアルタイム状況が「MyTransport.SG」のアプリに反映されるまで数分かかることもある。

SPグループのモビリティ責任者であるディーン・シェール(Dean Cher)氏は、事業者とLTAがアプリに表示される空室情報のタイムラグを短縮し、2023年には「リアルタイムの情報に限りなく近い」状態にしていきたいと述べた。

小規模なEV充電事業者の中には、「MyTransport.SG」アプリに掲載されることに価値を見出す企業もある。Airetec社は、自社の充電拠点10カ所をアプリに掲載し、他の方法では知り得ないEVユーザーにリーチできるよう手続きを開始したという。

EV所有者は、これまで使っていた独立系アプリ「PlugShare」より正確だとして新機能を歓迎する声もある。このアプリでは、充電器情報をユーザーからの投稿に依存しているため、リアルタイムでの空き状況がわからないという。

シンガポール社会科学大学のウォルター・セセイラ(Walter Theseira)准教授(経済学)は「LTAの「MyTransport.SG」アプリに充電器の位置と空き状況が表示されれば、タクシーやハイヤーのドライバーなど、1日に何度も充電が必要な「プロドライバー」にとってはとても有用だ。プロドライバーは、利用可能な急速充電器の位置についての情報も必要とするだろう」とコメントした。

「家族連れのドライバーなど、ほとんどのドライバーにとっては、充電ポイントの利用パターンは長い期間、あまり大きく変化しない。一度、充電の可否や充電パターンを知れば、それ以上に新しい情報は必要ないのではないか。」

セセイラ教授は、充電事業者が個々に展開するアプリのプラットフォームではなく、LTAのアプリが、人々の充電や決済処理に普及していくと期待する。

EV充電法の中には、LTAが充電サービスの提供事業者に対して、ユーザーがアカウント登録の必要なく決済できる方法を提供するよう求められる条項が含まれている。

EV充電法案の公開協議では、回答者から、充電ポイントを一部の利用者が独占してしまうのではないかという懸念が寄せられた。

国会でも何人かの議員がこの問題を指摘しており、EVユーザーが充電していないときに車をそのスペースに置くことを阻止するよう、「アイドリング料金」を課すことを提案する議員もいた。

シェル・モビリティ・シンガポール(Shell Mobility Singapore)のジェネラルマネージャー、ドゥーン・シーウェン(Doong Shiwen)氏は、ドライバーが充電マナーを順守することが重要だと述べたうえで、アイドリング料金を課したり、EV充電器を予約できるようにすることは、技術的に可能だという。

例えばマレーシアでは、シェルのEV充電ポイントの顧客は、シェルと関係のないアプリを使って、最大60分間、充電ポイントの予約ができる。

シェルは、2019年にシンガポールのセンカンで、EV充電ステーションの展開を開始しており、2022年11月に、HDB(シンガポールの公団住宅)の駐車場へのEV充電器の設置を落札した5社のうちの1社だ。

今後10年間、シンガポールの北部と北東部に位置する415のHDBの駐車場に、最大4,847台分の充電ポイントを配備する予定だ。現在シェルは、アプリ「Shell Recharge」を通じて、21カ所のシェル・ステーションに加え、ショッピングモールやオフィスにも150カ所、EV充電ポイントを設置している。

「MyTransport.SG」アプリの現在のバージョンは、通勤者の交通利用計画支援の一環で、2018年に開始した。2022年3月に、EVの充電スポットに関する情報を追加しており、2022年8月以降は、ユーザーが充電速度別に、充電スポットのネットワークをフィルタリングできるようになっている。

(引用元)https://www.straitstimes.com/singapore/transport/ev-drivers-can-check-availability-of-charging-points-in-real-time-under-mytransportsg-app?utm_source=emarsys&utm_medium=email&utm_campaign=ST_Newsletter_AM&utm_term=EV+drivers+can+check+availability+of+charging+points+in+real+time+under+MyTransport.SG+app++&utm_content=13%2F12%2F2022

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