南ア 停電急増で電力公社エスコムのCEOが辞任
過去最悪の停電に見舞われている南アフリカでは、国営の電力会社・エスコム(Eskom)社のアンドレ・ドゥ・ルイター(André de Ruyter)CEOが退任する。
2022年12月14日に、エスコム社のアンドレ・ドゥ・ルイターCEOは辞表を提出した。エスコムのムポ・マクワナ(Mpho Makwana)会長は、「我々は後任を急いで探すが、ルイター氏には2023年3月末までCEOとして留まってもらう」と述べた。
老朽化した石炭発電所が繰り返し故障しただけでなく、新たな代替発電所も故障した影響で、2022年、南アフリカの人々は前年の2倍に当たる計画停電に耐えてきた。今も日に最大10時間の停電が続いている。
南アフリカの化学品・エネルギー企業グループであるサソール(Sasol)社で役員経験のあるルイター氏は、2019年にエスコム社のCEOに就任以来、いわゆるロード・シェディング(全面停電回避のための意図的な部分送電停止)や計画停電を好転させるために奮闘してきた。
南アではほぼすべての発電が石炭が担っているが、ラマフォサ政権下で再生可能エネルギーに向けた支援や、資源をめぐる争いが激化する中で、負債を抱えているエスコム社は、発電所のメンテナンスに必要な資金が不足し、数週間前には緊急用にディーゼル燃料を補充するのに必要な資金も使い果たした。南アフリカ国庫は12月、同社からのディーゼル燃料向け資金の拠出を拒否した。
2022年、南ア政府はエスコム社の財政負担軽減のために同社の負債の一部を引き受けることを約束したが、その一方で、エスコム社以外に対しては、自然エネルギーへの投資促進施策を発表しており、以来、エスコム社と南ア政府との関係はぎくしゃくしていた。
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