南ア、Eskom社が初の蓄電池システム構築
南アフリカの主要電力・送電網運営会社であるEskom社は、同社初のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の建設を、韓国の暁星重工業(Hyosung Heavy Industries)社と開始したと発表した。
2022年12月8日に、このエランズコップ(Elandskop)BESSプロジェクトの起工式が、南アフリカ東部のクワズールー・ナタール(KwaZulu-Natal)州内の2自治体で行われた。
総電力量8MW、蓄電容量32MWhで、Eskom社のエランズコップ変電所に接続する本システムは7~12カ月で建設される予定だ。プレスリリースによると、その主な役割は、ピーク時にネットワークを増強し、送電網へのストレスを軽減することだという。
このプロジェクトは、Eskom社が2022年8月に締結した343MW/1,440MWhのBESS調達の第1フェーズの一部だ。第1フェーズでは、南アフリカ国内8カ所の変電所に199MW/833MWhを建設し、2MWの太陽光発電を設置する。第2フェーズでは、さらに5カ所のEskom社の拠点に144MW/616MWhを設置し、58MWの太陽光発電を設置する予定だ。
このプロジェクトには総額110億ランド(6.3億米ドル)が投資され、第1フェーズは2023年6月、第2フェーズは2024年12月にそれぞれ完了する予定だ。競争入札の結果、もう一社、中国企業の平高集団(Pinggao Group)も落札した。
このプロジェクトは、Eskom社が南アフリカの送電網に大規模な蓄電池システムを追加するためのもので、今回は2つのうちの一つだ。もう1つは、リスク軽減のための独立系の発電事業者調達プログラム(RMIPPPP)で、将来の需要と供給の不足を補うために、太陽光発電や蓄電池などのエネルギー源を追加するという。
また、ノルウェーのScatec社は、政府が支援する輸出金融機関Eksfinの支援を受けて、このうち太陽光発電540MW、蓄電池225MW/1140MWhを部分納入し、2022年7月にユニットの建設を開始した。
南アフリカでのプロジェクトで、独立系電力会社(IPP)と協力関係にあるコンサルタントによると、これらプロジェクトの蓄電池部分は、Eskom社にとって送電網のインフラを大幅に拡張する必要がないため、より多くの自然エネルギーをオンライン化するための方法だという。
南アフリカは2050年までにネットゼロ排出のエネルギーシステムの構築を目指しているが、広範囲な停電に直面した場合、送電網の回復力を向上させることも視野に入れてプロジェクトを進めている。
(引用元)https://www.energy-storage.news/south-africas-eskom-starts-building-first-battery-storage-system/