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【 《マーケティング・ジャーニー》 という道筋】

〜はじめに〜

次から次へと電話が鳴る。FAXも届く。
「ああ、またか・・」
その全てが、キャンセル通知や 予約取り消しの相談だ。
2021年7月。東京都に4度目の緊急事態宣言が決定された翌日から
電話もFAXも、メールもLINEも、キャンセルの文字でいっぱいに。
予想はしていたけれど、正直せつない気持ちになってしまう。

これはもう宿を存続させるために、なんとかしなくちゃ。
とにかく稼ぐためにはどうしたらいい?
更に!さらに!!
何か早急に手を打たなくては、今のままではタメだ・・

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新たな物語が、今始まる。

1994年に私たち夫婦で開業した高原の小さな宿「ぷれじーる」
今年 27周年をむかえた7月7日は、身内でささやかなお祝いをした。

 一昨年の台風19号の道路寸断や諸々の出来事からの売上減少、
雪不足によるスキー場の閉鎖、そしてコロナ・・
色々なことが続いて起こってはいるものの、
おかげさまで心と身体が元気でいられるのは、真にありがたいことだ。

「ささやかなお祝い」をしたのは、このご時世でも笑顔でいてくれる家族や仲間への感謝はもちろんのこと、昨年2020年の4月、5月の自粛期間中に準備した集客施策の効果もあって、未だコロナ禍とはいえ今年の夏の予約が例年並みに戻ってきていたからだ。
取引先銀行の担当者さんも、
「こんなに厳しい状況の中で、よくここまで復帰しましたね!」
と驚いていた。

しかし、現実はそんなに甘くはなかった。

緊急事態宣言が決まれば、多くのお客様は旅行を取りやめる。
イベントや合宿も、やむを得ず中止や延期となっていく。
関連して、その関係宿泊も一瞬にして消えていく。

コロナ時世のせいにしたくはない。
言い訳なんて、みっともない。そう自分に言い聞かせる。
こんな時でも、業種問わず売上を伸ばし続けている事業者さんもあるのだ。
宿泊業界だとしても、売上利益をしっかり確保しているところも実際には存在する。

私たちだけじゃない。お客様だって切ないのだ。
私たちだけじゃない。関連業者さんだって厳しいのだ。
今決意・決断すべきは、自粛するとかしないとか、そんなことじゃない。
希望を持って欲しい未来を描き、そのプロセスを仲間と共に進む
「物語の主人公」となること。

真に大切なことは、私たちが営んできた「小さな宿」のこれまでの「市場」にしがみ付くことなく、変化変容していくと決めて、これまでの「やりかた」を断ち、新たな行動をするということだ。

決めたら、まずは的を絞って集中&徹底的にやり抜く

見渡せば、ノウハウ本や、新しいツールが身の回りにあふれていて、
その波に「ノル」どころか、深さに怖気付いたり、時に行先を見失って溺れそうになったりすることがある。

これまで様々なセミナーを受講したり、本を買いあさったり、オンライン講座を購入したりしては、学ぶことそれ自体を完了することで「やり切った」気持ちになっていた。という経験は少なからずある。という人も多いと思う。

事業の売上をあげたい一心で、マーケティングの勉強と称しては講座を受講してきた私。けれども、はたしてその全てを完全に実践してきたか?と聞かれたら、
恥ずかしながら答えは「No」である。

今、目の前に1冊の本がある。

これは、私にとって大恩人の書かれた本である。
20年以上前に、この方の書かれたビジネス書の内容を読み、実践して、
ゼロから何億円という資産価値を創ってくることができたことは事実で、
感謝してもしきれない。

昨年2020年4月。1回目の緊急事態宣言の最中に出版されたこの本は、
「ああ、本当にそうだよな。でもこんなご時世では難しい・・」
そう言い訳をしながら、実は通読した後は ずっと自宅の本箱で眠っていた。
しかし、あることをきっかけに、「マーケティングは人を成長させる」
ということを感じてから、この本を実践しながら突破口を見つけて取り組んでいこうと決めた。そのきっかけとなったこと(体験)は、また別の機会に書こうと思う。

今なぜこの本なのか。
なぜ? 何を? 誰が? いつまでに? どのように?

表紙には、「常識を捨てて新しい富を得る」と書いてある。
常識を捨てて新しい世界にいくための羅針盤が私には必要だと直感的に思ったからである。加えてこの本には、実践的で具体的なことが中高生が読んでも理解できるくらいにわかりやすく書いてある。
本は、8章から成っていて、細かくは32のマイルストーンで構成されているから、短い時間でもさくっと読める。
そこで考えたのが、読みながら実践し、このnoteでアウトプットしていく。というやり方。これは今の私や家族、宿のスタッフにとっては、たいへん非常識なスピードかもしれないが、そのマイルストーンの1つを1日で取り組み、約1ヶ月を走り抜くという計画だ。

この間、この本から派生する関連本やノウハウ、家業事業におけるマーケティングの学びや実践以外のことは全て遮断して、とにかく集中してやり抜くということを決めた。

希望を掲げて行動する限り、大きな未来は開けている

同業者さんの中には、スキーやスノーボードで賑わったあの頃や、テニスブームの時代を懐かしみ、今を嘆く人もいる。社員交流スタイルの団体旅行や、学生のグループ旅行も、今は見かけない。

ひとり一台のスマートフォンを持ち、多様性にあふれ、広く様々な世界や価値観と常に繋がれる現代においては、旅のあり方も色々。
「宿」の役割や、その存在意味ってなんだろうか。というところも真剣に考えていかなくてはならない。

そもそも、なぜ人は「旅」をするのか。
そこから人は何を得ようとしているのか。
小さな宿の役割は、旅人を泊めるだけなのか。
我々の事業は、「宿」でなければならないのか。
私たちが社会に提供でき、相手に喜ばれる価値とは何か。
もっと現実を知り、探究していく必要がありそうだ。

自宅に居る時間が増えて、ストレスをためてしまう人も増えている。
ネット社会と言われる時代。仕事でもプライベートでも、デジタル変革がもたらされる中で、仮想空間と現実空間の融合やバランスを、どう扱っていくのか。

私たちが営む「ぷれじーる」を見てみると、
五感を研ぎ澄ます空間だからこそ、成し得ることもあるはずだ。
他を見て、青い芝生を羨ましく思うことも、無いといったら嘘になる。
けれども、見るべきは今ここにある顧客であり、日常であり、
欲しい未来を描いたモノと、羅針盤、そして仲間たち。

本にはこう書いてある。
「未来への突破口は、すでにあなたの日常にあるーー」

そうだ。
「本当に大切なこと」を見つける新たな旅は、今また始まったばかり。
行動しアウトプットをすることで、日々を振り返りながら旅の記録を紡いでいこう。思い描いた未来は必ず開かれる。


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