見出し画像

支配されない自分になる

自立を目指して十八歳で親元を離れてから四十年経ちます。

二十二歳で経済的には自立しましたが、その後、心理的には自立できたのでしょうか?

自立どころか、心は親から離れられないまま時間だけが経過しました。

人は子供時代に充分に愛されて満足できてなければ、こころは大人になれないのです。

私は長い間、こころは大人に成れないまま親の支配下にいました。

親への執着が止められなかったのでした。

何も分からない子供の時は、愛されないのは私が悪い子だからだと信じていました。

ほんとうは子供の私には何の非もありませんでした。

親が冷たく子供を愛する能力のない問題多き人だったのでした。

見捨てられ不安が強かった私は、私が困っている時に見捨てるような親にまで気に入られようとするようになりました。

親の支配下に入ってしまった私は、困っても誰も助けてくれないという感覚をもつようになり、世界を信じなくなりましたし、このほかにも間違った思い込みをいっぱい持つようになって、生きるのが苦しくなりました。

二十年かけて、親に背負わされていた重荷を一つ一つ捨てていきました。

間違った思い込みを手放して行くにつれ、被害者意識のフィルターが外れて、美しい世界が見えるようになりました。

人は温かく、親切で、困った時は助けてくれるということを知りました。世界は敵ではなく、味方だったのです。

親から植え付けられて絶対だと信じていた価値観、世界観はもう何の効力をもたない無用のものと成り果てました。

私は成長したのです。

世界は私を助けてくれる心強い味方になったのだから、親に見捨てられても充分生きていけるのです。

親にすがらなくても生きて行けるほど、親と対等になったのです。

やっと終わったのです。

親の支配下から解き放たれて自分の足で歩いて行けます。

やっと目が覚めました。

今までのこと、見えました。偽りのなかに居たのです。



●関連記事


いいなと思ったら応援しよう!