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良い子のいかり

機能不全家族出身の私は、良い子として育ち、反抗期がありませんでした。

良い子として育った私は、健全な子供時代を過ごせなかったため、自分を確立することができませんでした。

自分を確立するとは、自分はどういう人間で、何が好きで、どういう事をやって行きたいかが分かっている、ということです。

ほんらい、子供はわがままで自分のことしか考えられないのが正常です。

それは脳の発達段階によるものです。

子供は自分がどうしたいのか、自分がどう感じるのか、それを激しく主張することで世界を知ろうとしています。

親にとって手のかかる子供というのが、本来の子供のあるべき姿です。

良い子や自己主張しない子、反抗期のなかった子は自立できないし、自分を確立できません。

何が遣りたいかが分からなくなります。

そして自分自身がどうしたいのか?というアイデンティティを失って行きます。

子供自身の要求を中心に過ごせる、それを周りの大人に受け入れられる、といった体験が子供の成長に必要になります。

そういった経験をできないで良い子として育った人は、こころの裏側には周りの人への怒りと不信を秘めるようになります。

ほんとうは誰に怒っているのか?

諦めたこと、言いたくても言えなかったこと、ほんとうは嫌だけど嫌と言えずに言葉を呑み込んで従ったこと、などをはっきり意識化したほうがいいです。

誰に、何に、怒っているのか、それを知ることが真実の自分に触れるということです。それが自分を大切にするということです。

私が育った家庭は異常だったと振り返るとともに、豊かで楽しくあるはずの子供時代を奪われたことを残念に思います。

良い子として育って自分を確立し損なった私は、ほんとうの自分と向き合い、ほんとうの自分を取り戻していくことを、これからも続けて行きます。

コラージュ 2004


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