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赦せないものを赦すこと

前回は、畑の作物が動物などによる被害に遭うだけで、悲しかったりすると書きましたが、戦火の中で土地を追われ、肉親を失った人たちの悲しみ、憤りはどれほどでしょうか?
赦せないものを赦すことはできるのでしょうか?
今回はイスラエルとパレスチナの戦いについて触れながら、そのことを考えてみたいと思います。

『カーター、パレスチナを語る』の表紙(左は邦訳、右は英語版)

英語版の表紙の写真にあるような壁によって、パレスチナの人々の移動が制限され、農民と耕作地が分断され、農地や水資源を没収されるなど人権が侵害されています。
カーター元大統領はこの著書で、

聖地における包括的な和平合意達成の障害になっているのは、イスラエルが引き続きパレスチナの土地を支配し、植民地化していることだ。(P213)
不法なイスラエルの行動が、ここ数年ホワイトハウスやアメリカ議会に大目に見られている(P.214)。

ジミー・カーター『カーター、パレスチナを語る――アパルトヘイトではなく平和を』晶文社

と、述べています
このような状態が何年も続いていた中で起きたのが、10月のハマスによるテロでした。

このような行動に至ったハマス側に同情の余地はありますが、暴力は暴力を呼ぶだけです。

パレスチナ人が暴力に訴えたとしても、過去において全く不毛だったように、これからも何の実りももたらすことはないだろう。(中略)それによって一片の土地も取り戻せたわけではないし、基本的人権が少しでも回復できたわけでもない。P193

ジミー・カーター『カーター、パレスチナを語る――アパルトヘイトではなく平和を』晶文社

では、どうすれば良いのか、非暴力の方法による解決を目指し、神の義が実現することを祈りつつ、赦せないものを赦すしかない。

人間とは罪深い存在です。罪に覆われた世界で生きることには苦悩がつきものです。その中で、苦しみつつも、殺すことではなく生かすことを、殺めるのではなく育むことを選び取って生きる人が増えることでしか、世の中は明るくなりません。
その手本を示すために生まれてくださったお方をお祝いする日が近づいています。
そのお方は、十字架の死を通して、復活の道を示してくださっています。
小さな灯りを灯すことができる一人一人となれますように・・・

そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。

聖書:マタイ26:52

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