深夜のテレビショッピングの豚丼

いや、もう朝か。


テレビショッピングで豚丼が出てきました。お腹も空いているし、とってもおいしそう

画面の中からしずる感がすごい豚丼の映像がこれでもかと…

16食セットで4980円!わああーー

やすっ

…くはなくない?


具がパウチされた商品画像を見て思い出した

実家に昔あったぞこれ


実家を出て一人暮らしが軌道に乗った頃、父の病気(膵臓がん)が発覚し

若い頃とは比べものにならないくらい痩せて、食べられなくなっていた父


実家に帰ると、病気がわかる前に両親が注文していたレトルトパウチの豚丼が、ここぞとばかりに振る舞われた。


私が食べる姿を見て、嬉しそうに手を叩いて喜ぶ父

「おいしいでしょ!かよちゃんが食べてくれてよかったーー」

もう私にできることは、美味しく食べることだけだった


「…おかわり!」


結果、父の病気がわかって亡くなるまでの5ヶ月間で10キロ太りました


あの頃、私が元気でたくさん食べることが、3人核家族の我が家の闘病の精神的支柱だったように思う

さもなくば母も料理を作る気を失い、共倒れしかねなかった

父は検査結果が出て、病名を家族で聞いた帰り道

「僕がこんな風になっても、ね、皆は自分のことをいつも通りね、大丈夫だから」

と言った

親の言葉というのは子にとってとても威力のあるものだ

それがどんな言葉であれ、だ


父が亡くなる日、私は当時組んでいたバンドのレコーディングに出かけた

雪の降る中、キーボードを背負って病室を出た

レコーディングの打ち上げには行かず、病室に戻って良かった。母を一人にするところだった。それでもよかったのかもしれないけど

私には後悔が残ったかもしれない




豚丼


食べ過ぎ注意。



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