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茶髪を1日だけ黒髪にする娘

大学4年生の娘が無事に就職活動を終えた。
本人なりに色々悩んだ結果決めた進路。

親としては
応援するしかない。

社会人になるまであと半年。
ラストスパートで大学生活を楽しんでほしい。
もちろん卒業出来るように
勉強を頑張る前提で。

大学のスタートがコロナ真っ只中。
入学前オリエンテーションで一度
大学に行っただけで
あとは全てオンラインとなってしまった。

一人も友達が出来ない…
大学に入った意味がない…

どうしてあげる事も出来なかった。

大学2年生になって
いくつかの授業が対面になり
ゼミも始まり
週に2日だけ大学に行けるようになった。

一人だけ友達が出来た!
と嬉しそうに言う娘。
まるで小学校に入学した頃の様な会話。
大学2年生の娘よ、頑張れ!

子供達は何だかんだで
その時の状況で出来る事を考え
たくましく生きているなぁと
思わされる数年間だった。

あっという間に就職活動の時期になり
娘は教職を取っていたので教育実習へ行った。
とても充実した3週間。
色々考えたり感じたり成長した。
そのまま先生を目指すのかと思ったら
違っていた。

何年か普通の会社で働いてから
先生になろうと思う。
先生という職業しか知らない人生にはしたくない。

随分と大きな口をきいているのね?
今はそう言っているけれど
働き出してから先生になるのも大変。
どっちにしろ大変。

どのような人生を歩んで行くのか。
母は楽しみなのです。



先日
内定をいただいている会社の
『内定式』があった。
自分の時はそんなのあったっけ?
全く記憶にない。
すっかり忘れてしまっているのか
本当に無かったのか。

その日はスーツで行くのはもちろん、
茶髪禁止マニキュア禁止
という案内があったそう。

娘は茶髪だし
月に1回ネイルサロンへ行き
とてもオシャレにしてもらっている。

娘→せっかく学生最後を楽しんでいる時期に
あれもダメこれもダメってどういう事?
就職活動中はちゃんとしてたし、
社会人になってからもちゃんとするけど、
今、それは必要なのかなー
たった1日のために?(怒)

ごもっとも。
娘の言いたい事も気持ちも良くわかる。

娘→このまま行っちゃおうかなぁ。
それで内定取り消しってあるのかなぁ。
それとも休んじゃおうかなぁ。
どうしても学校が休めないとかで行けない人もきっといるよね?
あーでもない、こーでもない。
ねぇ,お母さん、どうしよう?

私→自分で決めてちょうだい。(冷たい…)



娘がどうしたのか。

まず内定式の前日に
いつものネイルのお店に行き
素敵なジェルネイルを落として来た。
そして
黒染めスプレーというものを買って来た。

ん?
黒染めスプレーって何?

髪の毛にスプレーすれば黒髪になり
シャンプーすれば落ちるというものらしい。
初めてその存在を知る母。

これです
服に付かないようにスプレーする
雨で濡れると色落ちしやすくなる
という注意書き
内定式が雨じゃ無い事を強く願ってしまう


結局
会社の指示通りにすることにした娘。

娘→やっぱりお母さんに似て真面目なんだよね



そうね…
真面目過ぎるのも生きづらいけれど
真面目な人が損をすると思う事も多々あるけど
真面目なのは良いこと

大丈夫。
あなたもきっと
逞しく
楽しく
生きていく努力が出来る人だと思うから。


内定式の朝

娘→お母さん会社行く前に
スプレー手伝って‼︎

長い髪をきっちり結んでお団子にして
スプレーをかける。
あっという間に黒髪に‼︎
顔や耳に付かないように
手で守りながらスプレーする。
私よりも背が高いので
(私166cm娘177cm)
娘の頭のうえがちっとも見えない。
洗面所で膝立ちになってもらい
上からも横からもスプレーする。

所々に茶髪が見えている気がするけれど
余りにも真っ黒にスプレーしたら
不自然に見えてしまいそう。

私→このくらいでいいかな?

娘は立ち上がり
鏡でじっくり確認する。

娘→うん、大丈夫そう。
ありがとう‼︎
久しぶりの黒髪、新鮮でいいかも‼︎

終わってみれば
初めての黒髪スプレーを
母娘で楽しんでいた。
顔に付かないようにガードしていた私の手が
スプレーで真っ黒に。
水で洗ってもちっとも落ちなくて焦る。
シャンプーで洗えば落ちるよ!
娘が慌ててお風呂からシャンプーを持って来てくれる。
無事に落ちました。
少々の雨が降っても
すぐに髪の毛の黒が流れ落ちてしまう訳では無さそうだとわかり
ちょっと安心する。

娘→お母さんの白髪隠しに使ってもいいよ笑


無事に内定式が終わり
髪を洗って無事に茶髪に戻り
翌日には素敵なネイルをしてもらい
娘は大学生活を楽しむ事に
全力を注いでいる。



52歳でまた初めての体験をした。
息子達も同じ技を使う日が来るかもしれない。

とても楽しかった。
娘よ、ありがとう。





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