G検定、その結果は…
少し前にAI(特にDeep Learning)について学んでいるとお話ししました。学びを可視化するために、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施するE資格(JDLA Deep Learning for Engineer)の取得を目指すともお話ししました。一方で、このE資格の前に、一般的なAI/DLの知識を求められるG検定(JDLA Deep Learning for General)というものがあり、まずはこれを受けますと宣言しました。
G検定の難易度
Blog等(今回はnote)で宣言をして、自分を追い込むというのは私のよくあるパターンなのですが、まあ結構なプレッシャーです。まして今回は、今後の自分の方向性としてAIに関わる仕事をしたいとお話しした後だけに、その本気度が問われる訳です。
もっともこのG検定、それほど合格が難しいわけではありません。いきなり結論をお話ししてしまったような気もしますが(笑)。実際に今回は5,330名が受験し、3,662名が合格、合格率は68.71%となっています。
情報処理技術者試験の入口とされる基本情報処理技術者試験の合格率が4割前後(ただし直近では制度の変更により合格率は5割を超えているようです)ですから、それよりも明らかに合格しやすいということになります。もちろん全員が合格するわけではありませんから、正確に言えば、ちゃんと勉強すれば合格は難しくないということになるかと思います。
G検定はオンラインで開催されます。このため、基本的には選択式。もっと言えば、理解というよりも記憶を試される問題です。ただ、そのままだと試験としては簡単になり過ぎてしまうので、大量の問題(約200問)を比較的短時間(2時間)で答える形式になっています。
危険なのは、オンライン & 選択式、試験中に色々調べることもできる、ということで、試験そのものをなめてしまうことですね。確かに出題のうち8割程度は、その場でインターネット検索をすれば正しい回答を見つけることができると思います。ただ、実際にはそんな時間はありません。計算してみればわかりますが、2時間で約200問なので、1問にかけられる時間は1分もありません。
G検定に向けた勉強
G検定に向けた勉強として定番なのは、公式テキスト「ディープラーニング G検定公式テキスト」と問題集「ディープラーニング G検定問題集」(いずれも現時点では第2版)をしっかりと読み込むということになります。
私も当然のことながら、両方とも1回は読み通しています。しかし、私の場合には、これらを定着するまで何回も繰り返し読み込むといったことはしていません。なぜならば、前にもお話ししたように、G検定は自分が求めるものではないと判断したからです。G検定が求めるのは知識であって、能力ではありません。試されるのは理解よりも記憶。
このため、私自身は、来年2月に予定されているE資格向けの勉強を進め、結果的にG検定で求められている知識が概ね得られているという状態を目指しました(ただし、AIにまつわる法律的な話など、E資格ではカバーされていない内容もあるので、G検定のテキストの一読は必要です)。
ちなみにこれはまた別途お話ししますが、E資格に向けた勉強はかなり大変です。もちろんその人によるのだと思いますが、私の場合は、随分と久しぶりにここまで真面目に勉強しているな、と感じています。ここまでちゃんと勉強したのはビジネススクール時代以来でしょうか。
いざ試験当日
今回のG検定は2日間の日程から好きな方を選ぶことができたのですが、私が選んだのは11/10(金)。実はこのタイミングは大阪への出張中で、ホテルで受験することになりました。
11/9(木)の午前中に新幹線で大阪に移動し、この車中に問題集の総仕上げ問題を解きました。時間的にちょうど2時間ぐらいですからね。結果的にはかなり短時間で解き切ることができ、正答率も95%程度ということで、これならいけるという感触を得ることができました。
いよいよ当日となる11/10(金)。前日の夜はお付き合いで結構な深酒となり(苦笑)、体調は万全とは言えません(言い訳?)。お昼に打合せが一件ありましたが、その後はホテルに戻って、公式テキストをざっと復習。
試験は16時からのはずなのですが、早め早めにと思って10分前ぐらいにクリックしたらいきなり試験が始まって慌てました。どうやら、16時に一斉スタートではなく、10分程度前ぐらいには開始できるようです(もちろん時間は開始から120分なので、早く始まれば早く終わります)。
今回は全体で191問ということで、問題数はやや少なめ。これはラッキーと思って解き始めましたが…。うーん、まあまあ難しい。前日の仕上げ問題の時のような快調なペースで解くことができません。難しいというよりは、正解だと思うがちょっと自信がないという回答が多く、念のために確認しようと公式テキストを参照するとまあまあ時間がかかってしまいます。
一問あたり40秒以下のペースで解いていかなければならないのですが、完璧を期して確認していると、つい一問に1分や下手をすれば2分かけてしまいます。ふと気がつくと、80問解いたあたりでもう1時間近く経過。これはやばい。いくら前半が完璧でも、後半解ききれなかったら意味はありません。
ということで後半はペースを変え、多少自信がなくても、一応こうだろうという答えがあれば先に進むことにしました。結果的に後半はかなりペースが上がり、最後には5分程度ですが、見直しの時間も作ることができました。
そして120分経過。正答率95%程度で余裕で受かる、と思って臨んだ試験ですが、その余裕は全くありませんでした。スピードを上げたのは正しい判断だと思いますが、後半の出来は褒められたものではないという自覚があります。うーん、これはどうなることか。
結果発表
結果発表は2~3週間後とのこと。過ぎたことは過ぎたことなので、平静を装い、ちょこちょこ仕事をしつつ、E資格の勉強を続けます。ただ、やはり結果は気になります。
そして、昨日午前中、受験から2週間ちょっとで結果がメールで届きました。
結果は無事に【 合 格 】。実は打合せ中だったのですが、スマホの画面で見ると、この部分がすぐには見当たらず結構ドキドキしたのはここだけの秘密。
合格は当然嬉しいのですが、合格できて当たり前といえば当たり前。問題は正答率です。
前半は完璧を期したものの、時間が足りなくなって後半は精度を犠牲にして速度を上げたということが如実に出ています(苦笑)。それにしても数理・統計で83%というのは情けないですが、おそらく1問間違えると連鎖的に間違えるという問題にはまってしまったのかと思います(情報エントロピーに関する問題かも)。
G検定は毎回の合格率は発表されます(今回が68.71%ですが、過去の実績としても概ね6割強)が、合格ラインは公表されていません。ただ一般には約7割程度の正答率で合格と言われています。今回私は95%弱の正答率だったので、蓋を開けてみれば余裕ではあったということになります。ただ、合格という結果以上に、95%という目標正答率に近付けたことは良かったと思います。(なお、上記の分野別の問題数は一緒ではないので、全体の正答率は上記の分野別得点率の単純平均にはなりませんが、まあざっくり95%弱かなと。)
今後受ける人に
今後G検定を受験する方に私なりにアドバイスするとすると、「ちゃんと勉強しましょう」ということと、「完璧を目指すな」、ということでしょうか。
上でもお話しした通り、内容的にはインターネット検索で解けるものですが、試験の際にはその時間はありません。その場でなんとかしようと思うのではなく、公式テキストを中心にしっかり読み込んでおくべきだと思います。
一方で、公式テキストに記載されていないことも普通に出ます(笑)。これを割り切るかどうか。私としては、合格(だけ)が目的であれば、スパッと割り切って飛ばしていいと思います。後は、以下の記述のうち「正しくないもの」を選べといった問題ですかね。正しいのを一つ選ぶのは比較的容易なのですが、正しくないのを一つ選ぶのは一気に難易度が上がります。あえて言えば「必ず」といったような断定系の記載がある選択肢は正しくない可能性がかなり高いような気がしますが、そもそも割り切ってスキップ(正確には選択肢が4つであれば、ランダムでも1/4の確率であたるので、何かを選んでスキップ)してもいいような気がします。
気になる問題にマークをつけておき、後で見返すことができるので、最初は完璧を期さずにざっと一通り解いて、残った時間でマークした問題に再度取り組む、というのが妥当な戦術かと思います。参考になれば幸いです。
E資格に向けて
G検定の合格は素直に良かったと思いますが(なにぶん公言していましたので、万が一落ちたら恥ずかしいところでした、笑)、私にとっての本丸はE資格です。こちらは泣きながらも少しずつ前進中。E資格に向けた勉強はまた改めてお話ししたいと思います。