子育て卒業。でも、母の心配は終わらない。
息子たちが高校卒業して「やったー、子育て卒業!」と思った。甘かった。
大学に入ると行動範囲が広がる。交友関係もシュタイナー学校関係だったときは、どんな友達と付き合っているかも把握しやすかったけど、大学ともなれば違う。車やバイクの運転もする。パブで飲む機会も増える。海外へも気軽に飛んでいっちゃったりする。学生ローンを自分で契約する。今までより大きい金額のお金を扱うようになる。
もう、高校までとはスケールの違う危険がある。そして、それを把握することもできないし、間違ってそれを知ってしまうと母としては心配になる。でも、もう大人だし、彼らの人生だから手出しも口出しもしない。
いやー、もう。子育て卒業して楽になると思ったけど、大学生のほうがずっと心労が多い。もう大人だから、知っていても手出しもしない。それがまた疲れる。ふう・・・・。
はあ。
一昨日のこと。息子が通った学校の横にある公園で事件が起きた。
19歳男子が深夜前に犬の散歩をしていて、ナイフで刺されて死亡した。犯人は見つかっていない。
イギリスではナイフでの刺殺事件はけっこうある。でもその多くは、酔っ払った挙句に喧嘩になったというケース。犬の散歩をしていて刺されるってどういうことなんだろう。
それが、息子の母校に隣接する公園だったことが、さらに恐怖を募らせる。
そして、その翌日、息子は、その公園の横にある友達の家に行っていた。
普段は、いちいち、息子の携帯にメッセージを送ったりしないのだけど、やっぱり気になるからメッセージを送る。「一人で暗い中歩かないで」「安全な場所にいてね」と。「心配しなくても大丈夫だよ」と返事がくるけど「大丈夫だと信じていても、心配になっちゃうの」と反応する。
イギリスはアメリカに比べるとずっと安全だけど、それでも治安の悪い場所は危険だ。通りが一本違うだけで危険だったりする。
とにかく、そういう治安の悪いエリアには足を踏み入れない。自宅は安全な場所に。お金で買える安全は、お金出してでも買う。鉄則。
何をしていても100%安全ということはないけれど、私立学校で安心安全な場所で育ってきた息子たちは、ちょっと甘いところがあるのかもしれない。でも、それなりに意識高い系の家族・友達に囲まれてきたからこそ、危険なところにいくと「これはまずい」とセンサーが発動する。この野性の勘のようなセンサーで、危険を感じるところでは拒否反応が起きて離れる。
息子たちにはいろいろ冒険をしてたくましく育って欲しいと思う。でも、犯罪の被害に遭うようなことは、どうか、無縁であってくれたらと思う。犯罪で命を奪われるなんて、とんでもない。
今は、とにかく見守りつつ、息子たちの行動に口は挟まないけど、「母っていうのはちょっとしたことでも心配しちゃうものなの」と、不安な気持ちは素直に伝えている。