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長男、ドイツ旅行

長男、卒業式を終えてドイツへ10日ほど行ってきました。

イギリスに戻る前に住んでいた、ドイツの小さな街。友達に会いに。2年ぶりに会う友達は、あまり変わっておらず、一番仲良かった友達は、ジムで鍛えていてマッチョになっていたとか・・・くらいの変化。

長男はイギリスのシュタイナー学校で12年生終了で卒業、そのまま大学進学ですが、ドイツのクラスメート達は、あと1年。13年生で試験勉強をしてアビトゥーア試験を受けて来年大学進学することになります。

懐かしい街は過去の街

「みんな免許とって車に乗ってる」というのが、ちょっと驚きだったみたい。ロンドンと違って田舎だから、車がないと不便な街。ロンドンは公共交通機関のほうが便利だったりするけど。

ロンドンのクラスメートは、車の免許より飛行機パイロット免許を先に取得しちゃった子もいるけど。笑

パンデミック2年があって、前住んでいた町は、ずいぶんと寂れてしまったらしい。ショッピングモールも半分以上の店舗がなくなってガラガラとか。

ロンドンに引っ越した目的のひとつ

もともと小さな町で、文化もなかった。多感な思春期の子には、もっと文化的な刺激のある大都市にいてほしいという願いもあって、ロンドンに引っ越したのです。

ロンドンに引っ越したことで、世界一流の芸術に興味を示すようになった。あの小さな街にいたら、興味ある被写体も近くになくて。フォトグラフィーへの熱意も花開かなかっただろうなあ。

環境を整えること〜私の子育てで大事にしていたこと

私の子育てですごく大切にしていたことのひとつは、「子供が育つ環境を整えること」。環境を整えたら、あとは環境が育ててくれる部分が大きい。

小さいうちは自然に囲まれた田舎でのびのびと。感性を豊かにし、体を育てる。自然が教えてくれること、自然が子どもに与えてくれることは、なんと豊かなことでしょう。

もちろん、学校は影響の大きい環境だから、子どもが成長するのにいい学校を選びました。シュタイナー学校といってもそれぞれに校風もちがう。担任の先生によって学びは全然違う。だから、息子達に合うように、学校と先生をみて学校を選ぶ。

そして、ちょうどいいタイミングでドイツへ行ってバイリンガルになり。思春期には、一流の文化や教育にふれられるロンドンで。

環境というと、こういう、物理的環境もあるけれど、人間というソフト面の環境も大きい。

イギリス人とドイツ人の気質の違いもあり、小さいうちはイギリス人のゆるやかさ、あたたかさ、包容力がとても良かったと思う。でも、思春期のころはドイツの、イギリスよりは統制とれた、規則とかちょっと厳しさとかが思春期男子を育ててくれる。実は、イギリスからドイツへ移転したのは、その違いによる教育効果を狙って・・・という意図も大きい。

多国籍のこども

長男は、アメリカ生まれで、ドイツ人と日本人の親をもちます。つまり、今のところ日独米3カ国の国籍を持っています。

多国籍だったり、国を変わることは、子どものアイデンティティ形成に強く影響します。それに苦しむ子どもがいるのも事実です。

でも、うちの息子達は、自分のアイデンティティを国籍とか多文化が理由で悩むことがありません。

人と違うことが当たり前の環境で育ってきた。そして、違いあるから素晴らしいという意識のあるコミュニティで育ってきた。これは、シュタイナー教育によるところがものすごく大きいと思う。

だから、イギリスにいても、ドイツにいても、「日本人だから」「イギリス育ちだから」「ドイツ人だから」という考えは全くない。

自分は自分・・・というところに疑いがない。

ナショナリティは、社会がきめたシステムだけのこと。自分という人間は、ナショナリティが決めるものではない。色々な国で育ったことは、彼らにとってその分、彼らの人間として厚い層を作ってくれている。


余談:多国籍は面倒

とはいえ、多国籍って面倒臭いです。現実。

長男はドイツのパスポートがこの春に期限がきれました。更新申請するにも、このパンデミックの状況で更新手続きのアポがとれないから、更新できずにいます。

だから、今回は、アメリカのパスポートで旅行しました。でも、BREXIT前のEU市民の権利を使ってイギリスの永住権をとっているので、イギリス永住権を証明するためにはドイツのパスポートがないといけない。旅行ひとつをとっても考えることが多い・・・。

しかも・・・国によって名前が違います。

ドイツ国籍って、ドイツ人の親の苗字じゃないとダメだから、ドイツの苗字。しかも、ドイツのアルファベット表記で、VOß です。イギリスではß の文字は使えないので、VOSSです。アメリカ国籍ではISHIKAWAです。日本では私の戸籍に入っているので石川(ISHIKAWA)です。

もう、VISAとか永住権とかも面倒臭いけど、全部、苗字が違うという面倒臭さ。名前が違う書類を出して、それが同一人物だという証明もいちいちしないといけない。ああ、めんどう。

多国籍だからこその可能性もたくさんあるけど、面倒くさいのは事実です。

もう子育て終わったから。
あとは自分でその面倒臭いところもやってってね。

ああ、肩の荷がおりた。


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かよ|ロンドン在住、楽しく人生をクリエイトするシュタイナー教師&経営者 石川華代
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