国際結婚でヨーロッパで子育てして良かったこと
父親の存在〜乳幼児期
私はアメリカで第一子を出産。長男4ヶ月でイギリスへ移住。イギリス、ドイツと、子育ての大半をヨーロッパでしました。
ほぼ、子育て終了・・・というところにきて、私の子育てで、良かった、ありがたかった・・・と感謝の気持ちでいっぱいになること。それは、いつも子どもたちの父親の存在があったこと。
日本のように残業があったり、休みにくい社会ではなく、終業時間を終えたらすぐ帰ってくる。だから、父親の存在感が大きい。
男女差別意識の少ないドイツ人。子育ては女の仕事という意識はありません。(その代わり、男が稼いで家族を養わなきゃ!・・という意識もありません。笑)
それでも、子育ての多くを母親である私がするのですが、家の中にいてくれるというだけで助かることがたくさんあります。
料理に忙しい時に、何をするでもないけれど、夫が幼児のそばにいてくれるだけで料理に専念できる。
ひとりでお風呂に入るとか、子どものことを気にせずゆったりする時間が少しでもある。
「ごはんたべさせて」とか「お風呂入らせて」とか、ちょっとしたことを頼める。
なにより・・・
ずっとひとりで子どもを見ていなくてもいい。
自分だけで責任を負わなくていい。
・・・それだけでずいぶんと肩の荷が軽くなります。
自分の特性を活かして子育てを共同作業する
乳幼児期は「お世話」が大変。でも、だんだん、お世話じゃなくて、遊びや勉強や友達つきあいや・・・みたいなことが親の仕事に加わってきます。
私は、息子二人。産んだ子供が男の子だったのは、私にとって青天の霹靂。私が男の子を育てるなんて想像もしていませんでした。父親ほぼ不在、女ばかりの家族に育ち、石川家はいとこも全員女。男の子と遊ぶような子でもなく、男子に免疫がない。笑
だから、男の子の母になって、男の子って、「猿?」いや、もう「宇宙人?」っていうレベルで理解不能。意味不明。男子相手に何やったらいいかわからない。
それでも小さいうちは、私がする手仕事も喜んで一緒にやってくれるのです。でも、布とかより、木とか石とかを使いたがる。優しい感じのことより、ちょっと怖いこと、危険なことをやりたがる。
男の子は体力もありあまっているし、活発な活動をしたがる。じっと座っていられない。いつも走ってる。(歩き方を知らないのか?と思うほど。笑)
無理です。わたしには。体力ないし。笑
で、素直に「お手上げ〜」と、夫に任せました。
私にできることは私がすればいい。でも、できないことは「できなーーい」ってはっきり言って夫に任せる。夫のほうが得意なことは夫に任せる。
自分にできないことまで頑張っちゃって、自分1人で背追い込まない。
そうやって、私はわたしにできること、得意なことをして、夫は夫にできること、得意なことをする・・・という分業をする。2人とも苦手なところは一緒にやる。そんな育児を大切にしてきました。
1人で抱え込まなくていい。
「わたしにはできなーーい」って弱みを正直に見せると、夫は「じゃあ、自分がやらなきゃ」って、嬉々としてやってくれる。
だって、夫も「自分が必要とされていること」や「自分が力を発揮できること」がは嬉しいのです。人の役に立てることは、人間、嬉しいものです。しかも、自分の好きなことで。
「やってもらって申し訳ない」なんて思う必要ない。
「やってくれてありがたいなあ」と感謝します。本当にありがたい。
お互い様。
私は、私にできる身の回りのお世話や衣食のこと、手仕事など自分のできることをする。でも、子どもと木工やったりDIYしたり、力仕事したり・・・は、私より夫のほうが得意だから夫にまかせる。
ひとりでは、わたしひとりでできる範囲のことしかできない。
ふたりの力で、ふたりの得意分野を子どもが体験できる。
父親にとっても、それは幸せなこと。
もちろん、何よりも、子育てとか人生観、世界観、価値観が、夫婦そろってシュタイナーの考えにしっかり裏打ちされていて、同じ考えで子育てできたことはとても幸せなことでした。
男性・女性 特有の役割
男と女、性別に関わらずできることが世の中の大半だと思います。でも、男にしかできないこと、女にしかできないこともあるのは事実。
妊娠出産は女にしかできない。
それから、女の子にとって、「同性の母親の存在」と「異性の父親の存在」はまるで違うもの。男の子にとっても同様。
たとえば、思春期にはいって性的に成熟してきたとき、女同士、男同士しかわからないことがある。
思春期にはいって、いわゆる「反抗期」に入ったとき、同性の親を超えていく体験が子どもを成長させていく。
こういうことは、性別が大きく影響するところです。
私は息子に対し、母親として寄り添うことはできるけれど、父親のように対決し乗り越えていく存在にはなれない。
我が家には、私という母がいて、夫が父親として存在してくれていた。息子たちが反発しつつ乗り越えていくべき父の存在があった。
このことに、ものすごく感謝するのです。
私も夫も、完璧とは程遠い、ダメなことばっかりしている親ですが、お互い補い合いながら子育てを共同作業でここまで終えることができた。
わたしひとりではできなかった。
本当に感謝です。
ワンオペのママたち
とくに日本の社会で、ワンオペで頑張っているお母さんがたくさんいることはとても悲しいです。夫婦で協力しあえると、子どものためにも、家族のためにも、とってもいいから。
でも、夫婦で協力できないような労働状況だったり社会要因があるのもわかります。シングルマザーが欧米よりずっと大変な状況に追い込まれている現状も悲しい。
お母さんたちがいっぱい抱え込みすぎて、追い込まれている状況は、見ているだけでほんとうに辛い。
もっと、自分ひとりで背負い込まなくてもいいように、「助けて」って言えたら・・・と思います。「助けて」って言える相手が、誰かひとりでもいるとか、抜け道があるとか。
助けを求めることができて、助けの手を気軽にさしのべることができる、助け合える世の中であってほしい。助け合える社会であって欲しい。人間ひとりで生きているんじゃないから。
(余談)トップ画像はキツネの親子。ちなみに私たち家族の姓はVOSSーー「キツネ」を意味します。笑