丁寧な暮らしの気配
土曜日。朝6時くらいに起きて朝風呂に入る。平日は3時起きだから、すごくゆっくりとした朝。お風呂にはエプサムソルト、クエン酸、エッセンシャルオイルに、生のローズマリーの枝。いい香り。
ゆっくりお湯につかり、出てきてからはヒーリングミュージックを聴きながらメルマガを書く。
ぼちぼち身支度をして、なんとなく「ファーマーズマーケットに行くかな」と思う。お散歩がてらテクテク歩いて30分くらいの場所。
毎週土曜日に開催されるファーマーズマーケット。オーガニックのお野菜、お肉、お魚、パン、チーズ、パイ、ローカル産のはちみつ、お惣菜などが売られている。
随分行ってなかったなあ。
ひとつひとつの店をゆっくり見て周り、オーガニックのバゲッド、チーズ&ペストのパン、茎のついているほうれん草(スーパーにあるのは葉っぱだけ)を買う。ひとつひとつのお野菜、果物を見て選んで必要な個数だけ買うのが嬉しい。
ファーマーズマーケットの後は、自宅へ向かって歩きだす。荷物もあるから、バスに乗ろう。バス停までの道で、地中海系スーパーに立ち寄る。野菜やお肉が豊富。普通のスーパーでは売ってない野菜や果物もたくさんある。
そこで新鮮そうな大根発見。そしてライチの山から、美味しそうに熟したものを選んで袋に入れる。
なんだか嬉しい。バスに乗って家まで。だいたい6000歩くらいのお散歩と楽しい買い物でした。
今までこういう楽しみがなかった。買い物を楽しむとか、バラ売りの野菜や果物をひとつひとつ手にとって買うとか。
仕事をフルにして、家族4人分の食料品を買うのも大量だし時間もないから、車で行ってカートいっぱいの食材を大急ぎで買う。1週間分の買い物をして、店にいるのは30分もないくらいのスピード買い物。
スーパーでパックになっているお野菜を、パックごと買う。4人家族だと1パック一気に使えちゃったりするから、パック買いでなんの不便もない。
今、家族が4人から3人になり、大学生の息子たちも家で食べたり食べなかったり。消費量もへり、少ない量を上手に無駄なく使う。パック買いよりバラで買うのが便利。大量じゃないから、料理もすごく楽。楽な分、丁寧に調理ができる。
「丁寧な暮らし」って、憧れていたし、私は忙しい中でもいろいろ手作りしていた方だと思う。でも子育てして一家の大黒柱だったころは「丁寧さ」を心から楽しんでいられるような余裕はなかった。
今、家族の形が変わってきて、ひとりの時間が増え、料理も、買い物も、家事も、全部すごく楽になった。そうしたら、追い立てられるように家事をするのではなく、ひとつひとつが楽だし、楽しめるようになってきた。
だいたい、時間をかけて歩いて買い物に行くことだって贅沢。
スーパー一ヶ所で全部買い物済ませないで、スーパーも行った上に、ファーマーズマーケットでのんびり見て回るなんてことができるのも贅沢。良さそうな野菜を選んでる時間があるのだって贅沢。
家に帰ってきて、ふと思いつき、棚にかけるクロスを手縫いでちくちく縫った。これも余裕がなきゃできない。ががががーーーっとミシンで縫うのではなく、静かにひと針ひと針丁寧に縫う余裕があることの幸せ。
数年たったら、息子たちも自立して、ほんとうに「おひとりさま」になる。今とは比べ物にならないほど、家事は楽になるだろう。どんな「丁寧な暮らし」をしていこうか。
今まで遠くにあった「丁寧な暮らし」が、あちらから私に近寄ってきてくれているように感じる今日この頃。