シュタイナー子育てで良かったこと(3)〜創り出せる人間に育った
ちょっと間があきましたが、「シュタイナー子育てで良かったこと」シリーズです。今までの記事はこちら。
シュタイナー教育って、クリエイティブな人間を育てる教育。じゃあ、シュタイナー教育が言う「クリエイティブ」「創造的」っていうのはどういうことか?
たとえば、一般の学校の家庭科の時間で、エプロン作りのキットを渡されて、「作り方」を教えてもらい、自分で縫ってエプロンを完成させる。それは確かに、手作りではある。でも、シュタイナー教育で何かを作り上げるときのプロセスは全く違う。
シュタイナー教育では、たとえば、編み物をする前に、自分の編み棒を作るところから始める。刈った羊毛を洗って紡いで草木染めして毛糸を作ることも経験する。
動物のぬいぐるみを作るときに、動物を観察して、その動物の体系をつくる型紙を自分で作るところから始める。
縫う、とか、編む、とかだけじゃなくて、材料を一から創り出し、作り方から考える過程を経る。
シュタイナー教育で育った人は、「ものは自分で作ることができる」ということを体験上知っている。そして、どうやってつくったらいいかを考える頭を持っている。そしてそれを作る手を持っている。
だから、たとえ、適切な材料がなくても、材料からして工夫することができる。作り方とかレシピがなくても、自分で考えて、作り方から「発明」することができる。
だから、「売ってないものは手に入れられない」という発想がない。「ないなら工夫してつくればいい」という発想がある。
ものつくり、だけじゃない。
算数だって、自分で試行錯誤して定理を自分で見つけていくプロセスをたどる。定理や名前を教えてもらうのではない。自分で発見する。昔の数学者が発見したように。
人間は、そうやって発展してきた。存在しないものを創り出して、どんどん新しいものを生み出して行った。それが人間。
教えられたことだけやっているのは、コンピュータにまかせておけばいい。
ここで言っているのは、「ものつくり」だけのことじゃない。創造できる人間は、人生もクリエイティブに生きていける。社会通念に縛られることなく、自分の頭で考え、自分の人生を自由につくりだしていける。
この子達は、この先、どんな社会になっても、生き抜いていける。そのくらいに、たくましくて、賢くて、力強い。