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園芸農家で働いた思い出
約30年前、長男の出産と共に仕事を辞めました。あの時代は専門職の女性でもなければ子供が生れた後仕事を続けることはあまりありませんでした。
子供が大きくなってパートを始めました。よくあることですね。
主婦のパートといったらどのようなものが思い浮かびますか?
私は偶然ですが、あまりメジャーではないパートばかりをしていました。なくてはならない仕事ですが、関わっている人はあまりいないようなことばかりしていました。
その中から園芸農家に勤めていたときの話をしたいと思います。
そこでは主にシクラメンを育てていました。最近はお値打ちのシクラメンもありますが、お高いものはなかなかのお値段がつき、贈り物にも使われる花ですね。
シクラメンは小さな種を一つ一つまくことから始まり、生長と共に鉢を植え替えていきます。何度も何度も植え替えが必要です。
ある程度大きくなると枯れた葉を処理する作業に入ります。この時、手で葉を触ると腐ってしまうため、消毒液につけたピンセットで丁寧に取っていきます。とてもかびやすいのです。何百とある鉢の一つ一つから丁寧に取っていきます。この作業嫌いではなかったです。
その次は伸び放題になっている葉をきれいな形にするために、葉同士を絡ませてこんもりとした形にします。シクラメンをご存知の方はわかると思いますが、きれいなシクラメンはこんもりした葉の中からまっすぐな茎が延びて、花をつけています。あの形は自然に出来るものではないのですね。
こうして生長したシクラメンは大きさ、美しさによってランクづけられ市場へ運ばれていきました。
初めの年は初体験ばかりでシクラメンの世話がこんなに大変だったとはと、とても驚きました。シクラメンの値段が高くなるのはこういうことかと納得しました。
今年もそろそろ出荷の時期かと思います。丁寧に世話をされたシクラメンはやはり違います。きれいなシクラメンに出会いたいですね。