先般のスキーバス事故で思う事
スキーバス転落事故。
バス会社の管理体制の杜撰さ。
旅行会社の執拗な値下げ交渉。
こうした会社の責任が問われるのは当然のこととして、
それでもその問題を作っている根本には、「安全は標準装備」だと思っている私たち消費者の存在が大きいことも忘れてはいけない。
「安全」って無料で付帯されるものではないと思う。
対価の中に、当たり前に含まれているという認識が日本では強い。
食事もしかり、建築物もしかり。
将来ある若者たちの命を奪ったこの出来事そのものを肯定する気はないけれど
しかし、この問題に限らず定期サイクルでバス事故は起きている。
その度に尊い命が失われ・・・法も整備されるけど。
結局、こうして事故は起こる。
バス会社はこの価格で仕事を受注したって、正直大した儲けにはならない。
しかし、バスを所有している以上、稼働率あげなくちゃ利益が出せない。給料が払えない。。。
キャッシュを手に入れるための自転車操業。
この厳しい価格競争の世界で生き残るために必死だということ。
厳しいコストカットの連鎖から生まれたあの事故。。。
バス会社は当然悪い。一方で顧客は安全を望む。でも、低価格の志向も持つ。
「安かろう、悪かろう」という言葉をもっと浸透させるべきだと思う。
さもないと、世の中は不当な価格破壊に溢れ、本当に良いものが価格競争に負けて売れなくなってしまいます。
ちょっと別な方向に目を向けてみると・・
個人的には、たいして効き目のない健康食品をさもお客さまのためを思っているかのような素敵なTV広告でPRして荒稼ぎしている人たちが気になる。
健康食品なんて、効果を保証しなくていいんだから、そりゃ粗利益もたっぷりのっけられる。
美容系の会社でホワイト企業として取り上げられている企業も多いですが、それなりに利幅が大きくないと採算はとれないし十分な雇用も、余裕ある福利厚生を充実させることはできないはず。
とすると、顧客に販売する金額に利益を乗っけないといけないわけで。
こうした原価の見えづらい商品を除き、利幅を大きくすることは「顧客本位から離れる」という価値観が定着してしまっています。
それって、本当の意味でのホワイト企業なのか?というと、ちょっと違うような気がするのです。こういう会社の方が心根は今回のバス会社よりもよっぽど顧客志向に欠けていると思うのです。
(もちろん真面目に商売されている企業もあるとは思うのですが)
いや、というよりも全てがその美容系ホワイト企業のように健全な経営が図れるだけの利益が確保できる体制だったら良いわけで・・・
しかし「高いものは良いもの」という固定観念は日本人は持っている。
ならば自ずと「安いものは悪いもの」の観念にたどり着くのに、なぜ誰もがこの言葉は見ないふりをするのか。
日本人はボランタリーで、付加価値を付け過ぎたのではと思う。
今回の事故の本質も、そこにある。
バス事故の問題は、私たち「買う側」も問題の一端を担う存在として理解しなくてはならない。