ぷりぷり、ぴよぴよ、さらさら、ごうごう
実は今年の1月、長年暮らしたまちから、山の方へ引っ越してしました。
私はぐるりと山に囲まれた盆地のまちの育ちなので、海よりも山の方が、そして都会よりも田舎の方が断然落ち着くので、山の方で良い場所はないかと、もう10年くらい探していました。
震災も含め、色々な事情でコレという出会いのないまま、すっかり諦めモードになっていた頃、知り合いの不動産業者の顧問の方から、ここ、どう?と軽く打診されたのが、今住んでいる場所です。
あんなに探して探して探しても出会えずえにいたのに、思いもよらないところから繋がる。
なにもかも、ご縁。本当にその一言に尽きます。
越してきた時はまだ真冬で、モノトーンの景色。
朝のキーンと冷えた空気は一層清らかで、それはそれは気持ちのいいものでした。
今は、風に揺れる緑がキラキラと眩しく輝いていて、たくさんの小鳥たちが声高らかに歌っています。
耳を澄ませば山の中を流れる小川のせせらぎも聞こえてきます。
こうして文字にしてみると、なんだかポエムみたいで笑ってしまいますが、大げさでなくそんな場所。
昨年、引っ越しの準備のため片付けをしていた時、何年も前の手帳が出てきました。
何気なく中を開いて見ていると、将来住みたい場所についての「夢」を記したページがあって、郊外の住宅地で、四方を隣家や駐車場に囲まれ、コンクリートで固められた狭い庭しかなかったところにいた当時の私が思い描く、まさに理想の場所の情景が書かれていました。
「山が近くて、空気がきれいで、眺めがよくて、小川の音が聞こえるような、すてきな場所に住む」と。
手帳を見つけた時は、それを書いたことなんか忘れていましたので、「へー!私、こんなこと書いてたんだねぇ、本当になっちゃった!」と一人でニンマリしてたんですが、
実際ここに移り住み、風や光や音の中に佇んでいると、
本当に私の毎日があの通りの情景の中にあるんだなぁ。。。と、しみじみします。
越してすぐの頃、窓から外を眺めていると、目の前をゆっくりとキジが横切って行きました。少しずつ春の近づく山の中で、キジの極彩色はまるで宝石のような美しさでした。
新緑の季節は、柔らかい新芽を食べにリスが出るとか。
先日は、道端にウサギがいて、すごいジャンプ力だったとか。
雨の日にいっぱい出てくるカエルが大きくてびっくりとか。
時々出てくるカモシカは、近寄りがたい存在感だとか。
風の強い日は、山全部が鳴るの。大音響。それはまるで海の波の轟きのようだったり。
人の往来は少ないけれど、そこらじゅうが命だらけ。
ぷりぷりのエネルギーだらけ。とても静かで、とても賑やか。
夕方には、近所で面倒をみている人のいる野良猫が、うちの庭をのしのしとパトロールしていきます。
そういうわけで、リラックスしかできません、という感じです。
元々そんなにいつもいつもシャカリキにがんばる方ではないけれど、こんなにのどかな場所にいると、つい山々の景色や小鳥を眺めてしまってなかなか仕事モードにならず、ちょっと困りものではありますが。。。
ま、いっか!
そしてそして、次なる夢を、どこかに書いておこうと思います。