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リタイア人の徘徊日記(61)奈良|大人の修学旅行 唐招提寺
2020年3月。半世紀ぶりの奈良。
修学旅行の定番スポットを巡っています。
薬師寺を出て徒歩で唐招提寺へ。
歩き始めて気が付いた。薬師寺の近くには近鉄西の京駅がある。
バスの停車が先だった唐招提寺で下車して見学してから薬師寺に行けば電車で帰ることができるので楽で効率がいい。
わかっていたのに薬師寺まで行ってしまった。謎だ。
私は時々自分でも理解不能な行動にでることがある。それは年と共に増えていくようである。恐ろしや。
そんなことを言っても手遅れなのでテクテク歩く。
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時は3月中旬。梅が咲き始めていました。もうすぐ桜も。
吉野ヶ里の桜も見てみたいけど人出がすごいだろうな。
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そんなことを考えているうちに唐招提寺に到着。南大門をくぐると正面に金堂が見えてきます。
調和のとれたため息のでるような美しいフォルム。
金堂の建物も素晴らしいですが、強烈な印象をのこしているのが中にある国宝の仏像の数々。言い方が適切ではないかもしれませんが、とにかくゴージャスなのです。
本尊の廬舎那仏座像は光背に800以上の小型の仏様がついている。
そして、千手観音菩薩像は本当に手が1000本(現存は953)ある。
高校生だった当時、ひとつひとつの手がフォークに見えてあっけにとられたのを覚えている。
こちらは残念ながら、以前より見学エリアが仏像から離れてしまった。
国宝を守るためにはやむを得ないと思いますが、細部まで見えない。
唐招提寺を建立した鑑真和上は唐の僧侶で来日を試みるも5回も失敗。10年かけて6度目にようやく辿りついた時には苦労のあまり失明していたというお方。
日本に帰化してからは、日本の仏教の基礎を築くことに大いに貢献したそうです。
井上靖の小説、「天平の甍」にはその様子が書かれています。
来る前にもう一度読み直すべきでした。雑事に手いっぱいで叶わず。
いえ、単なる怠慢です。
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経堂、宝蔵など(国宝ばかり)を見学しつつ奥へ進むと。。。
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鑑真和上の墓所がありました。どうしてあれほどの苦労をしてまで日本に来てくれたのだろう、と17歳だった自分にはさっぱり理解できず。
還暦すぎた今の自分にもよくわかりません。ただただ頭を下げるのみ。
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墓所の周りの林は地面が苔に覆われていました。俗世を離れた別世界にいるようです。
さて、宿のある奈良駅まで戻るのですが、バスはいつ来るともわからず、近鉄線で帰るのがよさそう。
しかし、また薬師寺まで戻るのもナンなので、ひとつ先の尼ヶ辻駅まで歩くことにしました。
これが、遠かった。早朝から歩き詰めだったこともあり自分に呪いの言葉を吐きながらよたよたと田園風景の中を進む。途中に宝来山古墳(垂仁天皇の墓所)がありました。
天皇の古墳なので宮内庁管轄。中に入ることはできません。お濠と木々に囲まれた山が見えるのみです。
5世紀の墳墓の近くで暮らす日常というのもなんだか不思議ですね。
やっとのことで近鉄奈良駅に戻ってきました。
もうヘトヘト。こういう時は甘いものを食べるのが良き。
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近鉄駅周辺は若者が多くてカフェがたくさんありました。
こんなもの食べてすっかり元気になりました。
(2022年撮影)