リタイア人の徘徊日記 (199) |カラカルパクスタン|古代ホラズム王国の要塞カラを巡る
2024年8月。
初のウズベキスタン旅で初めに訪れたのはカラカルパクスタン共和国。
え? それどこ?と思わず声が出てしまう。今の今までその国の存在も名前も聞いたことがありませんでした。
カラカルパクスタンはウズベキスタンの国内にある自治共和国で、独自の言語、国旗、憲法、行政府を持っています。何故ウズベキスタンの中の自治州となっているかはソビエト連邦時代からの複雑な歴史があるためここで述べるのは割愛しますが、カラカルパクとは「黒い帽子被る人」という意味だそうです。
ウズベキスタンの首都タシュケントから飛行機を乗り継いでウルゲンチへ。
バスで砂漠地帯を延々走ります。途中、見えたのがアムダリア川。
カラカルパクスタンの北部にはアラル海がある。
小学校の時に世界の大きな湖は、カスピ海、アラル海、と習ったような気がするなぁ。
ところが、現在そのアラル海は20世紀最大の環境破壊と言われているのでした。
ソ連時代に綿花の栽培のため大量の灌漑用水が使われ、水量はかつての10分の1になっているとのこと。もはや漁業もできない。
このアムダリア川の水も乾季になるとさらに水量がへってしまうそうです。
一直線の路を走っていると、所々に遺跡のような廃墟がある。
これが、カヤと呼ばれる城塞跡。古代ホラズム王国の遺跡群です。
この地域にはカヤがおよそ1000か所あるとのこと。川が流れを変えるたびに国を移さなければならなかったという砂漠地帯ならではの大変な事情があったのでした。
それにしても、周りは見渡す限り砂漠。360度地平線です。これじゃあ敵に丸見え。(敵が来るのもよく見えますが)
そのためにもなるべく高い城壁を造る必要がありました。しかし、造っては移動、の日々。厳しいですね。
紀元前4世紀には既に高度な文明を持っていたという古代ホラズム王国。
360度の砂漠から吹き付ける強い風、砂嵐。夏は灼熱の炎天下、冬は氷点下の寒さ。水を求めて移動していかなければならないという厳しすぎる環境の中で発展した王国とはどんなものだったのか。
人間ってすごいなぁと思ってしまいました。
(2024年撮影)
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