アクロパラグライダーというスポーツでのヨーロッパと日本の環境と文化の違い
セアヴス!(オーストリアの方言でハローの意味)
今年の夏はゲルリッツェンという、オーストリアの南部にある山でパラグライダーをするために、キャンプをしながら過ごしている日が多かったです。
このゲルリッツェンというところがパラグライダーをする人にとっては天国みたいなところです。
特にアクロ (曲芸飛行) という競技をする人にとっては。
なぜ天国かというと、
1.湖の上で飛べる
2.山頂高度1,900m で、湖の上に来た時でも高度は最低でもだいたい1,500m はある
3.施設がめちゃくちゃきれいでおしゃれで落ち着く
4.落ち着く場所だからか、フレンドリーな人が多い
5.安い
からです。
今回の投稿はこの内容について順番に詳しく書いていきたいと思います。
1.湖の上で飛べる
なんで湖の上で飛べることが良いのか。
それは安全だからです。
私がやっているパラグライダーのアクロという競技は、グライダーを意図的に失速させたり、加速させたり等々の操作をして、くるくると宙返りやスピンをして遊ぶ飛び方です。技によっては非常に高度な技術が必要になります。
車の運転とかと同じように、きちんと練習して、わかったうえで操作しているのであれば、いくらでも危険性を下げることができます。
でも、やっぱり宙返りとかをするので、普通に飛ぶ方法よりはリスクが上がります。
で、どうやって怪我のリスクを下げるかというと、万が一のことが発生したときに地面ではなくて水の上に着地できるような場所で飛んでおく、ということです。
パラグライダーは飛んでいるときに高度があればあるほど安全です。ほぼすべての怪我は地面に叩きつけられることによって起こるからです。
実際に、自分もゲルリッツェンで一度、緊急パラシュートを開傘して湖に着地しました。。。笑
この動画内で、どうして緊急パラシュートを開傘する判断をしたかについては、また別の機会に投稿しようかと思います。
2.山頂の標高1,900m で、湖の上に飛んで来た時でも高度は最低でもだいたい1,500m はある
アクロ、はくるくる回って飛んでいる間に、あっという間に高度を失います。
高度が1,500m ほどあると、普通にふわふわと飛んでいるだけだと最低でも20分ほどは飛んでられるかと思いますが、アクロだと4-5分で着地です。
また、高度が200m を下回ってくると、万が一のことを考えて、アクロは控えます。
先ほどの動画みたいなことが、低い高度で、しかも地面の上で起きた時のことを考えるとゾッとしますよね。
湖の上でこんなに高度がとれる場所は世界的に見てもめちゃくちゃ貴重です。
3.施設がめちゃくちゃきれいでおしゃれで落ち着く
急に世俗的ですが。笑
まーーー、めちゃ雰囲気良いところです。
↑ ランディングした後は自由にのんびり
↑ 山頂のテイクオフ。北風以外は飛べる。
↑ Gフォーストレーナー (写真の細長い板みたいな物の先に人間が吊るされていて、ぐるぐる回ることによってG に耐えるトレーニングができる機械) のGに長く耐えられる人決定戦をやってるところ笑
↑ 筆者がハンモックでだべってるところ。この後爆睡する。
写真でお伝えしたほうがやっぱりわかりやすいですね。笑 百聞は一見に如かず。
ビールの自販機も置いてあるので、ゴンドラの営業時間が終わった後とか、天気悪くなってきたりするとすぐ乾杯です。笑
4.落ち着く場所だからか、フレンドリーな人が多い
これはオーストリアの国民性もあるかと思います。オーストリアはドイツとかと比べると、リラックスした雰囲気の人が多い印象があります。(もちろん、ドイツにもリラックスした雰囲気の人はいっぱいいます。)
自分は、上の写真にあるランディング場から歩いて10分ぐらいのところのキャンプ場でキャンプしながら過ごしていました。また、そのキャンプ場に泊まっている人たちがみんなリラックスした雰囲気でフレンドリーでめちゃくちゃ良い。
大体ほとんどの人がパラグライダーやってる人やけど、それは関係なく、良い人が多い。
5.安い
いっぱい人が集まっている理由はたぶんこれが主要因だと思います。
ゴンドラのシーズンチケット (半年間) が180ユーロで、たぶんヨーロッパ内で一番安いと思います。
あとバカ高い宿に泊まらなくても、キャンプ場に泊まれば費用を抑えられるし。
残念なことに、日本にはいまこのどの条件にも当てはまる場所が無いと思います。。。
パラグライダーはもともと、フランス人の登山家が下山するのがめんどくさくて、良い方法がないか探していたところ、"飛んで降りたら楽やん" っていう考えで、初めはパラシュートに近い物で飛び始めたことが起源らしいです。
また、ヨーロッパにはアルプス山脈が横たわっていて、とてつもなく壮大な山が多くて、日本よりも数万倍パラグライダーが栄えています。
それと、会社や仕事を最優先にする人が多い日本とは違って、余暇や趣味などを重要視する人が多いヨーロッパだからこそこういったスポーツが広まっているのかなあと思います。
逆に言えば、上に書いたような条件に当てはまるところができたら、日本でも競技者人口が少しは増えるのかなあと思っています。。。(どの立場から言ってんねん。って突っ込みは勘弁ください。)
ではでは、チャオ~。