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徹底解剖:ピアノ名曲選 Vol.5【基礎練習】
皆さんこんばんは!ラボムジがお送りする【徹底解剖シリーズ】、今回は少し趣向を変えて《基礎練習》について取り上げます!
ピアノを習っていても意外と目を向けたことがないであろう《ものすご〜く細かなポイント》に着目したマニアックなコンテンツを配信していきますよ〜🔍
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結論から言うと、究極のテクニックは
「ムラなく音階が弾ける」
これに限ります。
というのも、音階は全ての音楽の根源であり、歌として最も自然な形だからです。
とはいえ、音階だけ練習してピアノが弾けるようになるわけではありませんね笑
そもそも「ピアノが弾ける」とはどういうことなのか、という疑問に辿り着きます。
「音を鳴らす」ことは簡単な楽器ですが、いかにそれを「芸術」として成立させるのか。そのためには自分が出す音の全てを操る必要があります。
操る、言い換えれば無駄なく自分の指の力を楽器に伝えて振動させる。
鍵盤に吸い付く感覚、とでも言いましょうか。
逆に言えば指が鍵盤に吸い付く感覚こそが音色をコントロールするのに不可欠であり、あらゆる音形においてそれを実現することこそが「エチュード」に取り組む意味なのです。
ピアノをやっていると、基礎練習は「幼少期の訓練」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし他の楽器に目を向けてみると、思ったよりも基礎練習に重点を置く楽器が多いことに気付かされます。
ピアノのための練習曲は他のどの楽器より多いのに、練習に使わないのは勿体無い。
特にショパンのエチュード以降、メカニカルな作品にも芸術性を体現するという取り組みが増えたのは明らかです。しかし現代においては、あまりにも技巧ではなく表現を優先するという風潮が強くなりすぎているように思えます。特にピアノのエチュードが「練習曲」として日常の訓練に使われなくなってしまう理由はそこに根差したものではないでしょうか。
エチュードをあくまでも「練習曲」として手中に収めることは、物語性に富んだ大きな規模の作品に挑む上で非常に有用な経験となります。
例えばショパンのエチュード Op.10-10はオクターヴと6度重音の組み合わせによる練習曲ですが、これをマスターすれば、同じくショパンのバラード第1番の有名なコーダは格段に難易度が下がります。さらにバラード第2番のPresto con fuocoも同様の音形であり、これにオクターヴ跳躍の技術を足せばほとんどマスターできるでしょう。
オクターヴの練習はあらゆる作品に触れるたび鍛えられますから(特にリストやラフマニノフの作品)、エチュードを数種類こなせばグッとレパートリーの拡張に繋がるわけです。
逆に言えば「譜読みが遅い」「初見が苦手」という人は、頭の中に蓄積されている音形・ハーモニーや指遣いのバリエーションが不足している可能性があります。
ここで大事なのは、「エチュードが最終到達点ではない」ということです。あくまでもエチュードは作曲家にとって技術のアイディア帳であり、大きなキャンバスに描く絵とは違うわけです。
自分の弾きたい曲に見合ったエチュードを探すということも大切かつ楽しい作業かもしれません。
さて、デイリーに取り組む価値のある練習をご紹介したいと思います。
ショパンの練習曲 Op.25-6に取り組む前の練習も良いかと思います。
なぜ3度の練習を推すか。それは複数の指をある程度の複雑性を持って、しかし規則的に動かすことによって頭・耳・指を同時に活性化させることができるからです。
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カデンツァは自由に遊んでみてもいいと思います。ご自身の創造性を培ってくださいね!
今回はここまで!「クラシックな」ピアノを弾くための探究について触れてみました。
取り上げて欲しい曲などありましたらコメントください📝質問も大歓迎です!
(文責:嘉屋 翔太)
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