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こたつちゃんの旅路によせて

こたつちゃん、あなたはほんとうに「今日のおさんぽはどっちに行こうかな、うーん、今日はこっちの道にしよ…」くらいの気軽さで何の音もたてずにいってしまって、未だにかいぬしよくわかりません。でも、新しい道が、たのしいといいね、いつもあたたかくておいしいもの食べられるとといいね、と思います。

Twitterへ、こたつちゃんへたくさんのやさしいお言葉、本当にありがとうございます。たくさんの方からいっぱい言葉でなでなでしてもらえて、たぶんお顔ムンてしながらゴロゴロいってると思います。しっぽも力強くピンと立っていると思います。よかったねえこたつちゃん。うれしいねえ。かいぬしもうれしくてかなしくてうれしくてたくさん涙が出ました。こたつちゃん、たくさんの方にかわいいかわいいされてたよ。よかったねえ。

また、見守って下さった方々にも、心より御礼申し上げます。
かわいいねえって思って頂いたその瞬間ぶん、きっとネットの海を越えてなでなでしてもらってたんだと思います。

御棺に入れられるのはお花とおやつだけです、ということだったので、いつもの、おねえちゃんとはんぶんこしているカリカリと、夜、家の前の空き地に咲いていたナガミヒナゲシのつぼみ一本だけ添えて送り出しました。ナガミヒナゲシ、外来種だけど、かいぬしの大好きな花です。動物病院からタクシーで帰宅したとき、そこに生えていたそれが、小さな光みたいに揺れていたので、思わず摘みました。
提灯みたいに、こたつちゃんの行く手を照らしてくれますように。向こうでお花が咲きますように。

こたつちゃんをお見送りしたお寺は緑が深いところで、四季折々の花が咲くところです。お花には興味ないかな。でもここでお昼寝するのはたぶん気持ちがいいんじゃないかと思ってここにしました。

お寺の都合で、最終便になってしまったのもあって、少しひんやりした空気と小雨の真っ暗な中あなたを連れて帰るとき、時折夜光灯を浴びつつ水の香りのする園を抜けながら、胎内巡りみたいだなあと思いました。あなたも、こうやってここへ、わたしの元へやってきたのでしょうか。ゆっくりでいいから、こたつちゃんのペースでいいから、渡したひなげしの提灯で足元を照らしながら、神様のところに辿り着けますように。

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いってらっしゃい、こたつちゃん。よい旅を。心から、祈っています。


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