定期購読マガジンのレポート(4)
この「積立草稿」も、始まってから9ヶ月以上になりました。順調にテキストも増えていっています。久々のレポートです。
内容の方針
最初の目的「どんどん書いて書籍化する」というのは、簡単ではなさそうだなと途中でわかってきました。というのも、「1年は165日」「つぎの低い孤高」「トビリシの計画」それぞれどの連載も、1冊の全体像や流れを考えずにざくざく書いているので、それを並べ替えたりするだけでは短編集みたいになってしまって読みにくくなるだろうから。
だから、先月ぐらいから「これを積み立てていくだけで本ができる」というのはあきらめて、「どんどんマテリアルを積み立てて、最終的にそれらを再編集したりミックスして1冊を組み立てる」という方向に考えています。だからこの「積立草稿」では、より草稿らしいテキストや、すこし脱線した内容でも書いてみたいです。そういうのを書く月は、4つとか5つ更新できれば良いなと思います(これからも1ヶ月に最低3テキストは更新します)。
購読者
ありがたいことに、何百人もの人にサブスクリプトしてもらえていて、とても励みになっています(もちろん本を出版する助けにもなります!)。文章に興味がある人はもちろん、時々読むという人や、単に応援をしたいからという人もいて、自由な感じでどれも大歓迎です。
何度も書いてますが、お金がかかりますんで、無理なくいつでもやめてください。やめたり再開したり、いつでもどんな感じでも無理なく自由にしてください。
金額
月額の170円は、この「積立草稿」開始時にも書いたんですが「ペットボトルの飲み物1本分ぐらい」のイメージです。正確には、昔のiOSの有料アプリのTier2(Tier1は1アメリカドルで、各国のアプリストアはドルとの為替レートで変化する。当時は85円だった)に合わせました。
170円/月は、「一人暮らしのインフラ基本料の平均金額の10%程度」という水準でも考えました。水道代とか電気代の基本料金が1500〜2000円で、その10%程度ってことです。読む人の生活を考えて、それぐらいの寄り添い方をしたいというイメージがありました。
積立草稿の初めから、生き方や考え方に関わる文章を複数連載することを考えていました。愉快さや刺激や暇つぶしと言うより、「ある生まれや育ちや人生経験をしてきた人が、そこで決まってしまった人生全体の可能性の幅を、すこし変化させる」という方向性に重点を置いて書いています。
だから、いつもよりも余計に、貧乏な人や余裕のない人、節約したい人、他にも様々な自分への投資をしている人、色々なパターンを想定しました。「その人の生活の邪魔や負担にならずに、その人の可能性を広がるきっかけになるかもしれない」という形を目指しています。
世の中
今の日本は、多くの人にとっては、目前に死を感じるような生活ではないかもしれないです。空爆とか連続テロとか暴動とかないし、多くの人には自死や飢餓も遠いものに思えるかもしれない。それでも僕は、色々わりと「それどころじゃない」状況だと思っていて、同じように思う人も(多くないかもしれないけど)ある程度いると感じています。「それどころじゃない」のは、たとえば希望や幸せのバリエーションの乏しさなどに感じます。
貧富やリテラシーや可能性の格差・分断が強まって、人生の中で身動きが難しかったり、最終学歴時点の色々が同じぐらいの人同士でしか交流がなかったり、興味や関心も固定化するような環境だったり、そういう流動性の少なさを僕は世の中に感じていました。そういう「カプセル間の移動が難しく、それぞれのカプセルの中で一生を終える」というのが嫌な人向けに、何かのきっかけになるかもしれないものをインターネットに設置したい、と思って書いている側面が強いです。
これからも、地道にやっていけたら良いなと思っています。
(おわり)
(積立草稿は、月額170円で、払った月に更新されたものが読めるシステムです。説明と各連載の最初のテキストは無料で、こちらから読めます。)