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珠洲滞在レポートvol.3(2024.07.26-07.31)

私は石川県珠洲市で行われている「奥能登国際芸術祭」に2021年作家として参加し、それがきっかけで珠洲に心を奪われた1人です。数年前から続いた余震、2023年6月の地震、そして今回の2024年1月1日の能登半島地震。これは、3月から珠洲に向かい、滞在した記録を細々と残した私的なレポートです。現地に行くハードルが少しでも低くなったり、現状を知るきっかけになれば嬉しいです。



5月にも珠洲に滞在してたのにレポート書き忘れてました。。。(2024.05.18-05.28)
とりあえず今回の7月のレポートを共有です!


2024.07.26-07.31
①めちゃ暑い!!
暑かった、、本当に暑かった。秋田から行ったからなのか、昼間の炎天下作業は危険なレベルです。熱中症などお気をつけください!帽子もかぶって水分補給もしてたけど、草刈りとか瓦礫運びとかしてると熱中してしまうので、誰かと声を掛け合いながらがおすすめ。4時くらいになるとだいぶ暑さもマシになるので、昼間は休憩時間長めでタイムスケジュール組んでみてください。
そして、今年は蜂が多い気がします、、、。いまの時期は巣も大きくなってきているので注意です。
涼しい季節は水もないし2〜3日お風呂入れなくても全然平気だったけど、こうも暑いと厳しい。自分ってこんなにも臭くなれるんだって思ったもん。現地滞在する人は銭湯の営業日や使用できるシャワー室とか、調べておきましょう。「銭湯はお金かかるから自衛隊風呂使ったらいいよー」って言われたんだけど、知らない避難所に行くのなんだか気が引けて私はまだいけてない。。これから避難所など解体される場所もあるので注意。

②水が通っています!が。。
私が滞在している珠洲市正院町では水も来て、5月の時点で「ホームセンタームサシ」で水洗トイレが使えました。正院町では避難所や家の上下水道の破損が少ない家庭は、お風呂やトイレが使えるようになっています。しかし、水が近くまで来ていても、家まで水を運ぶパイプが地震で壊れていたり、温水器や下水が壊れている家庭が多く、修理しようにも業者は引く手数多なので、今でも家でお風呂が使えない人が多いです。
地震の被害や津波の被害が激しい地域では、まだまだ水がきていなくて使えない状況です。
「ホームセンタームサシ」やコンビニのように水洗トイレが使える店舗もありますが、「スーパーダイマル」などなどトイレが使えない店舗も多いので、私は3月から変わらず市役所や近くの避難所の仮設トイレを使わせてもらっています。7月末でスズズカの避難所も解体だそうです。「まさか夏まで避難所があるとは1月には想像もしてなかった」という言葉が印象的でした。修理して自宅に帰ったり、仮設住宅に入ったり、みなさん新たな生活が始まっています。

③道路状況
今回は秋田から珠洲まで1人で車移動。秋田のにかほや山形では豪雨の被害で高速道路が通行止で、下道で移動。被害を心配しながら、途中から高速に乗り珠洲へ。異常気象ばかりですね。
そしてなんと!!
のと里山海道が開通していました!!開通しているのを知らなかったし、Googleもいつも通り下道ルートのみを指定してたのでびっくり。ここまでくるのに7ヶ月、作業に従事して来たたくさんの人たちのことを想像して、1人でウルウルしながら通りました。
もちろん仮設の迂回ルートなので、急カーブが続き、細い道で対向車との距離も近く結構怖いです。朝(金沢→珠洲)や夕方(珠洲→金沢)は道が渋滞するし、スピードも出せない道(だけど結構急かされる)なので、慣れない方や背後に車がいると焦ってしまうタイプの人は、下道を使うのがいいかもしれません。結局そこまで移動時間も変わらないんじゃないかな。
道路の破損は、街中も含め、主要道路はだいぶ走りやすくなりました。飛び出したマンホールや大きなヒビは減りましたが、油断した時に車がガタンとなるので注意。目視でわかりにくいので。まだまだ片道通行も多いです。


④気候と持ち物
最初にも書きましたが、本当に暑い。危険な暑さなので注意です。
ぬけている私は車移動なのにクーラーボックスなど忘れ、、、後悔しました。作業していると汗も尋常じゃない量が出るので、着替えやタオル、汗拭きシートなどは多めに用意するのがいいかも。暑いので、食べ物の保管にも一層注意しましょう。私の滞在先は、電気ガス水道が来ていない場所なので、(クーラーボックスも忘れたし)食べ物の保管は諦めて、その都度お店に買いに行くか、常温保存できるカップラーメンなどにしました。
今回持って来てよかったのは、たくさんの手ぬぐいと、充電式扇風機。とにかく暑いので助かった。テントは暑いけど虫もいるので、メッシュ状の窓を開けて蚊帳として使用。テントの中で扇風機を回して、寝袋の上で寝ました。侮るなかれ熱中症。

【今回の持ち物】
カッパ、夏用作業着、帽子、虫除け、寒い時羽織れるもの(全く使わなかった)、着替え、手ぬぐい、赤ちゃんのお尻ふき(便利!)やウェットティッシュ、水、カセットコンロ、片手鍋、紙コップ、割り箸、ゴミ袋、日持ちする食料、手洗い用の100きんの水タンク、充電式ライト、充電式扇風機、音楽聴くやつ、モバイルバッテリー、寝袋、マイまくら、折りたたみテント、洗面具、工具類一式

【追加で買った物】
冷感タイプの布団カバー。(寝袋の上に敷いて寝ました。洗えるし快適)
虫除け類(これからの季節は虫除け対策は必須!)
うちわ(もらった。最高)

寝袋などを日光消毒してる

⑤、珠洲のお店
あんまりお金なくて今回も飲食店は行けなかったんですが、色々開いています。
ボランティア帰りなどに是非!!
・「まつうら」(以前ランチ食べたけどお肉めちゃ美味しかった!)
・「かつら寿司」(予約すると昼夜ともに利用可。朝に漁師さんから買った魚を調理していて本当に美味しい!!電話0768-82-4648 スーパーダイマルで絶品お弁当も出しています!)
・「鈴々堂」(以前ランチにパスタとコーヒー頂きました!コーヒー豆も買えます)
・「二三味珈琲カフェ」(金土日オープンしているようです!めちゃ素敵カフェです!)
・「ろばた焼きあさ井」(震災後真っ先にオープンしたお店!美味しい!)
・「イタリアンカフェこだま」(美味しいピザ窯で焼いたピザが食べられます!)
・道の駅「すずなり」月金お休みで10:00~15:00(時間に注意!ソフトがうまい)
・道の駅「すずなり」前の交差点にある「ラーメン始めました」看板のお店(甘めラーメンめちゃうまやった)
・その横でもバーベキューみたいなお店がやってたりしたのを目撃。(次回に期待)
・道の駅「狼煙」営業再開しました!!ここのお豆腐は最高だし、豆乳ソフトも最高!オンライン販売もあるみたい!(営業日はインスタをチェック)
・8番ラーメン 営業再開してました!!みんなで食べに行こう!従業員も募集してたよ!

・スーパーダイマル 月曜休み(トイレは向かいのムサシへ。安心する地元スーパー)
・フードはまおか 土曜休み(安心するローカルスーパー。次は野菜コロッケを狙う)
・ホームセンタームサシ (水洗トイレが使えて感動。頼りになるホームセンター。トラック貸出はないので注意)
・「海浜あみだ湯」水木お休み14:00-21:00(仮設トイレがあります。サウナも復活!暑さにへばって私はサウナ入れなかった、、サウナと長風呂は体調が万全な時に!アメニティーは有料貸し出しになったよ!あとアイスの種類増えてた!)
・コンビニ 24時間じゃないので注意。トイレも使えるところありました!
・薬局 夜9時まで空いてるので便利。
他にも私が把握してないだけでたくさんのお店が空いているのでチェックしてみてくださいー。

猛暑の中すごく涼しい本町ステーション

⑥「本町ステーション」がオアシスになってる!
友達で写真家の松田咲香さんたちが中心となって、珠洲市の鵜飼でオープンしたコミュニティースペース「本町ステーション」。なんとクーラー完備で、仮設とは思えないおしゃれな水洗トイレもあり(おそらく珠洲でいちばん)、まるでオアシスのようです!支援してもらった夏服や帽子、カバンなどもあるので、不足したものを取りにくるのもいいし、お菓子を食べに来たり、暑さを逃れるためにも、是非足を運んでみてください。
「本町ステーション」がある鵜飼地域は津波の被害も地震の被害も大きく、まだまだ水も来ていない状態。倒壊した家の瓦礫撤去もなかなか進まず、3月に訪れた時から景色がなかなか変わりません。そんな中で、自分たちに必要なコミュニティースペースを自分たちで運営している姿は、本当に力強くて尊敬します。被災状況もわからない外部から何かをお膳立てして「与える」なんておこがましいばかりで、何をしたいのか、何が必要なのかを現地の人はよくわかっているし、作っていく力もポテンシャルもある。復興支援って、その内部からの力に協力することなんじゃないのかなって、最近思います。
「本町ステーション」紹介記事⬇︎
https://www.chunichi.co.jp/article/888203
「本町ステーション」インスタ⬇︎
https://www.instagram.com/honmachi_station?igsh=MTd6aGs5ZjBla3VlZQ==

イベントもたくさん開催してるよ

⑦ボランティアしてみたよ!!
5月の滞在時に、私も初めてボランティアに参加して来ました。私は「奥能登国際芸術祭」で前から知り合いだった正院町の方のお手伝いを個人で細々としていましたが、ボラセンで活動するのは今回が初めて。募集の呼びかけしておいて何ですが、初めてだと緊張しますね。
私は、知り合いもいたので「 NRN 能登復興ネットワーク いやさか」を入り口にして七尾の訪問調査ボランティアをして来ました。

「 NRN 能登復興ネットワーク いやさか」

何もわからない状態で参加しましたが、車で現地集合した後、自己紹介や活動内容を丁寧に説明してくれる時間もあり、1人で何かさせられることはなく、3人グループになって(グループ内に経験者を入れてくれる安心!)、対面でもケータイでも確認を取りながら街の中に出ての訪問調査だったので、知らない土地でも安心して活動できました。参加者は学生から高齢の方まで幅広い感じ。大学生はグループで固まってたけど、その他の人はみんなフレンドリーで、ワイワイといろんな話ができました。
活動内容も、体力や向き不向きで分担や融通をきかせてくれて、時間にも余裕を持ったスケジュールが組まれていた印象です。私の時は仕事内容も男女で分けられることがなくてひと安心。飲み物やお昼ご飯、必要であれば滞在場所も用意してもらえるので「そんなにがっつり動いてないのに悪いなあ」と思ったくらい。でも、夕方になると慣れない環境からか意外と疲れちゃいました。(大勢の人や知らない人といると疲れるタイプなので)
私的には、明日に響かない感じの無理のない作業量でした。上のリンクからボランティアの参加申し込みもできます。興味ある人は覗いてみてくださいね。

活動の拠点となっていたのが「災害NGO結( yui)」さんで、こちらでもボランティアや支援物資、事務作業などの現場に行かない後方支援など、幅広い活動を募集しています。アマゾンのほしい物リストが公開されていたりして、現場に行く以外にもたくさんの関わり方、支援の方法が提示されているのが嬉しいですね。こちらの結さんに届いた支援物資の白Tシャツが、鵜飼の「本町ステーション」に届いたりしていて、支援の輪が繋がっているのがわかります。
「災害NGO結( yui)」

いつも紹介している「石川県災害ボランティアセンター」でも随時ボランティア募集しています。ただ、受け入れのキャパが少なかったり、マッチングがうまくいかないことも多いので、今回紹介したボラセンも興味ある方は覗いて見てください。

「石川県災害ボランティアセンター」
https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com

ボランティアキャンプサイトでは宿泊テントを予約できるので車でここまでいける!って人やキャンプ経験者はぜひ!
「ボランティアキャンプサイト⬇︎ボラキャン珠洲」

石川県災害ボランティアバンクだと、ラインで友達登録するといろんなボランティア情報が流れてきます!自分にあったボランティア情報を探してみるのにおすすめです。
「石川県災害ボランティアバンク⬇︎」
https://page.line.me/?accountId=504yqxzc&fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR0r2cVJvy7BVF2CHmlSOaBk2XydLosRimuS76dm3B5pyNKQHyP6ywVa5lE_aem_AfP6UaIozzSIfl4XNrnSXB8WB6cvOwVG4pAhooUNujI-82ldr0LQ9phwDazp0fFAWrApZIQojiYiATvCURdnjacU

地震から7ヶ月経ったけど、見える瓦礫の景色はなかなか変わりません。今月から船での瓦礫運搬も始まるらしい。まだまだ、ボランティアが必要です。そして、ボランティアするために高速道路を使って移動してくる人には免除もあるから!!次を読んで!

⑧高速道路料金がタダでボランティアにいける!
「災害ボランティア車両 高速道路通行証明書」をボランティア前に作成して、指定のボランティア団体から日時がわかるハンコをもらって活動すると、往復もしくは帰りの高速料金が免除されます!!県外から車移動でボランティアを考えている人や、何度も参加したい方で、高速使う人はぜひチェックしてください!!ボランティア活動した日の前後数日だけが対象なので移動日程には注意を!そしてこの制度、能登半島への移動は9月30日までが対象なので注意を!(他の被災地への移動は期限も違うので調べて!)

やること
1、事前にボランティア参加日と使用する高速道路を用紙に記入
2、高速の一般レーンで用紙と免許証を確認してもらう
3、ボランティアに参加。ボラセンでハンコをもらう
4、高速の一般レーンで用紙と免許証を確認してもらう
以上!

「災害ボランティア車両 高速道路通行証明書」
https://exvolunteer.jp/VoUsr010/linkDisplay

使い方はこのサイトがわかりやすかったよ!↓
「茨城県災害ボランティア活動支援サイト」
https://xn--standby-z34f4dy115e.jp/freeway/
自分が参加したいボランティアセンターが対象か確認して、ぜひ活用してみて!!(期限が9月30日までなので注意!!)

大家さんの荷物が入って過ごしやすくなった

⑨忘れないこと。そして話すこと。
珠洲の知り合いが「珠洲で生活してても、たまに地震があったこと忘れてんだよね」って話していた。「どうにか避難所から家には帰れたけど、壊れてるし、傾いてるし。でも、どうにか生活がまた始まると、それに慣れるっつーかね。忙しい毎日になるわけ。車で外出た時とかに倒れた家見たりして、何で俺の故郷がこんなんなっちまったかなーと、一瞬わからなくなるわ。そうや地震があったんやって、すぐに思い出すけどね。だから、金沢でも県外でも、見えない所にいる人は地震のこと忘れて当然だと思うわ。」

被災した人が心を守るための「忘れる」と、県外の人の「忘れる」は違うものだとは思うけど、だけど毎日生活しながら何かを「忘れない」ようにするには、意識しないとできないことだと思うんです。
現地に行くボランティアだけが支援じゃないし、寄付金が多いほうがえらいわけじゃない。やりたくてもできない人も多いし、「何もできてない」って自分を責めるのは苦しいから、それぞれに無理なくできることを考えていけるといいなと思います。
まずできることは、忘れないこと。難しいことだけど。そのためにも、身近な人と話すことが大切なのかも。

ウタコベジタブル

今回もたくさんもらっちゃいました。
見てくださいこの美しい野菜。友達とバーベキューして手作り野菜を食べたり、トマトのはちみつ漬けをもらったり、一緒にカレーを食べたり。草刈り作業であせもになって、蚊にも大量に刺されてまさに夏です。


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